2001年夏。
朝刊に掲載されたその小さな記事が、大崎さんの心を少しずつ揺さぶります。
この地球上には数えきれないほどの人が住んでいて、人それぞれに外見からは見えないものを抱えて生きています。
もしかしたら本人でさえその正体は分からないのかもしれません。
大崎さんはその正体を少しでも理解しようとします。
でも結局は愛の大きさを知ることと、祈ることしかできませんでした。
「私は小さく祈っている。
小さく、情けなく。
でも祈っている。」
あれから20年経った今日も、ドナウ川は静かに流れているはずです。
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大崎善生「ドナウよ、静かに流れよ」
読書空間 ひつじ日和