利他についてここまで深く思考している本は無いのではないでしょうか。
様々な視点から利他を分解します。
落語、仏教、ヒンディー語の与格構文、岡潔さんの情緒、志村ふくみさんの染色、土井善晴さんの料理、民芸、NHKのど自慢、イラク人質事件、タイの洞窟遭難事故、九鬼周造さん、ジャック・アタリさん、若松英輔さん、時間との関係。
今まで利他と思ってやってきた行動のほとんどは利己的なものだったのかもしれません。
そして思いがけないところで利他的なことをしている可能性もあります。
それは自分では分からないのです。
分からないからこそ最大の利他なのでしょう。
中島さんは偶然性についても言及されています。
インドである人に出会っていた偶然を。
ぼくもおそらく同じ時期にインドにいました。
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中島岳志「思いがけず利他」
読書空間 ひつじ日和