宮沢賢治の「雨ニモマケズ」と同じような雰囲気を感じました。
このイワンは決して馬鹿なのではなく純粋で誠実なだけだと思います。
この作品の背景にはトルストイの苦悩があります。
戦争に疑問を感じ、西欧文明に失望し、農作業に精を出します。
農民の教育の重要さから農民の子共のために学校と教科書まで作ります。
権力を嫌悪し、自分の生にも疑問を感じながらもある考えに到達します。
それは普通の人々に対する愛でした。
日露戦争ではどちらを支持するか、との質問に対し、
「どちらの味方でも無い。それぞれの政府によって欺かれ、戦争にかりたてられた両国の人々の味方です。」と答えます。
まるでイワンのようです。
きっとプーチンさんも自国のこの作品を読んでいらっしゃることでしょう。
再読を強くお勧めします。
読書空間 ひつじ日和