ジェローム・K・ジェローム「ボートの三人男」

 

急流の多い日本では、舟を川に浮かべて遊ぶという発想はなかなか出来ません。
低地を流れているテムズ川ならではの物語。
気分のすぐれない三人の男が気晴らしのためにロンドンからオックスフォードへ向かいます。
愉快な出来事ばかりしか起きません。
回想もとんでもないことばかり。
Mr.ビーンを思い出します。

 

水閘(すいこう、英語でロック)が頻繁に出てきますが、これも日本ではなかなか想像できません。
物流が船舶で行われていた時代の象徴です。

 

ところどころ歴史的な内容も出てくるのですが、どうやら歴史や地理の案内を目的とした本だったようです。
楽しく読める「地球の歩き方 テムズ川」。
確かに訪れたくなります。

 

原題は「Three Men in a Boat, To Say Nothing of the Dog!」
DeepL翻訳「ボートに乗った3人の男、犬のことはさておき」
1969年筑摩書房「世界ユーモア文学選」の翻訳「ボートの三人男―犬は勘定に入れません」
2018年光文社古典新訳文庫の翻訳「ボートの三人男 もちろん犬も」

 

「犬は勘定に入れません」が好みです。
モンモランシーという名の犬もボートに乗り込みます。

 

ご興味のある方はこちらもどうぞ。
コニー・ウィリス「犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」

 

ジェローム・K・ジェローム「ボートの三人男」

 

 

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