南木佳士「山行記」

 

小さい頃住んでいた場所は山が当たり前に存在していました。
小学校の遠足は登山。
中学でも何回か登りました。

 

当たり前にあった景色を貴重なものだと思うようになったのは大人になってから。
自然の人間を癒すことのできる奥深さを知るのもやっぱりかなりの時間が必要でした。

 

心の病を患っていた南木さんも、薬よりも自然の力を実感します。

 

少しずつ始めた山登り。
若い人たちに誘われて北アルプスに向かいます。

 

なぜ山に登り、何を考え、どのように肉体と対峙するのか。
なぜ文章を書かなければならいのか。
南木さんの想いが山を通じて伝わります。

 

 

山に登りたくなっちゃいますよ。

 

 

 

南木佳士「山行記」

 

 

寒すぎたら、あるいは暑すぎたら、とりあえずその場から数歩だけ移動してみる、というのは人生一般に応用できる知恵かもしれないな、と農鳥岳(のうとりだけ)の教えを素直に受け止めた。

 

企みは企んでいるときがいちばん楽しく、実行に移すとおおむね苦行だけが待っている。

 

 

 

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