庄野雄治 編「コーヒーと短編」

 

先日読んだ庄野雄治さんのエッセイが心に沁みたので、短編も書いているのか、と思って読み始めた本です。

ところがこれが勘違いで、庄野雄治さんが選んだ短編集でした。
選択基準は「ずっと昔から読まれていて、百年後にもよまれているであろう作品たち」だそうです。
そして「短いけれど、強弱とリズムのある自由な一冊は、コーヒーに合わないわけがない。」と珈琲豆を焙煎する人の視点も加わります。

 

確かに読んだことが無いけれど魅力的な作品ばかりでした。

珈琲豆の焙煎も短編の編纂も、緻密な作業と繊細な神経が必要で、もしかしたら似ているのかもしれません。

 

 

収録作品リスト
「桜桃」太宰治
「越年」岡本かの子
「西東」坂口安吾
「死神の名づけ親」グリム童話
「団栗」寺田寅彦
「蜜柑」芥川龍之介
「水仙」林芙美子
「夕焼け」吉野弘
「耳かき抄」木山捷平
「プールのある家」山本周五郎
「一ぷく三杯」夢野久作
「笑われた子」横光利一
「檸檬」梶井基次郎
「メロン」林芙美子
「赤い蝋燭と人魚」小川未明
「一房の葡萄」有島武郎
「小さな王国」谷崎潤一郎
「謀られた猿」安藤裕子

 

 

 

庄野雄治 編「コーヒーと短編」

 

 

 

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