三木那由他「言葉の展望台」

 

何かを頼んでくるときに、「先生、先生」とごまをするようにお願いしてくる人が苦手でした。
先生と持ち上げておけば何でも聞いてくれそう、と思われていたのかもしれません。
ちっとも先生ではないのに。

 

三木那由他さんも「先生」という言葉にもやもやしています。
ご自身が大学で教えているのですが、ともに哲学という営みに携わる仲間、という意識でいるからです。
でも「「先生」と呼ばないでください」と言うことにも抵抗があります。その発言自体が先生っぽいからです。

 

このように言葉について、ご自身の経験を基に、哲学的に丁寧に考察します。
読み始めてとても繊細なイメージを持ちましたが、読み進めていく上で少しずつ腑に落ちていきます。

 

言葉はとても不思議で奥深い存在です。
無ければ全く伝わらないけれど、意図していない伝わり方もしてしまいます。
常に変化していくものですし。

 

言葉についての展望台であり顕微鏡と言っても良い内容でした。

 

 

三木那由他「言葉の展望台」

 

 

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