分人

 

湿原の中の道

 

分人という考え方を平野啓一郎さんの本で知りました。個人に対し分人。対人関係、環境ごとに分化した異なる人格のことだそうです。ペルソナの使い分けを肯定しやすくなりそうです。

 

数ある出会いの中で「あなたといる時の自分が好き」ってすごいことな気がします。そういう関係性ばかりだったら最高ですが、仕事などの現実ではそうもいかないですものね。ストレスを感じない稀有な存在を大切に。好き嫌いがはっきりしていることも悪いことじゃないかも。違和感はセンサーが働いて自分を守ってくれてるようなイメージ。分人の更新も大事。硬直した関係性しかないのは辛いでしょう。

 

どれも自分なのに固定されたイメージを持たれると途端に逃げ出したくなります。息苦しさを感じるのも、感じさせるのも嫌ですね。適度な距離感は絶対必要。〈対人関係ごとに見せる複数の顔全てが本当の自分〉という分人の設定は気楽そうです。

 

平野 啓一郎「私とは何か 「個人」から「分人」へ」

 

 

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