白鯨の行方

 

長くて、時には難しく、時には愉快に進む本でした。
白鯨の話はほんの少し。
あとは捕鯨に関する豆知識がたくさん詰まった本でした。
歴史、宗教、地理、科学、航海、捕鯨・解体技術等々。
小説というよりは、当時(1800年代中盤)の捕鯨に関するエッセイみたいなものでした。

物語要素は最後の3章でクライマックスを迎えます。
白鯨に出会う事はできるのか。
不穏な雰囲気の船長をはじめ、乗組員はどうなってしまうのか。
夏の最後の花火が打ちあがった後の余韻のようなものが漂います。

当時の船の設備で何年も生活するなんて想像すら出来ません。
実物の鯨に出会ったこともありません。

 

 

ナンタケットの捕鯨船が遭難し、鎖国中の日本に流れつき、乗組員の一人が坂本龍馬になった、という物語はどうでしょうか。

 

 

ハーマン・メルヴィル「白鯨 下」

 

 

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