定期的に読みたくなる夏目漱石。
「漱石先生ぞな、もし」で読みたい気持ちが加速してしまいました。
特にこの二作品(「二百十日」「野分」)を。
夏目漱石の権力や地位に対する批判的な思想を垣間見ることのできる作品です。
「二百十日」の圭さんは言いました。
「我々が世の中に生活している第一の目的は、(中略) 金も力もない、平民に幾分でも安慰をあたえるのにあるだろう。」
愉快な会話の中に時折鋭いものが隠されています。
「野分」では一人で行動することの大切さが述べられています。
「昔から何かしようと思えば大概は一人ぼっちになるものです。」
また現在でいう「ブルシット・ジョブ」のようなこともまでも考えている夏目漱石。
印象的なラストシーンを迎えます。
「二百十日」も「野分」も秋の嵐を想像させることばです。
夏目漱石は強風が吹くような時代に危機感を持っていたのかもしれません。
もし今生きていたらどんな作品が生まれるのでしょうか。
夏目漱石「二百十日・野分」
読書空間 ひつじ日和