1890年代ロンドン。
人気絶頂のオスカー・ワイルド。
独特のスケッチが瞬く間に世間に知れ渡り、一気に階段を駆け上がるオーブリー・ピアズリー。(今見ても不思議な絵です)
オーブリーのために行動する姉、メイベル。
オスカー・ワイルドの友人アルフレッド・ダグラス。
4つの糸が絡まり乱れ、誰にもほどくことのできないような展開に。
マトリョーシカのような入子構造、フラクタルのような相似構成にどっぷりとはまります。
オスカー・ワイルドが46歳で亡くなったのが1900年初夏。
夏目漱石が留学先ロンドンに到着したのが1900年末。
きっと何か耳にしていたであろうし、著作にも接していたことでしょう。
実は二人は会っていた、なんて想像してみたり。
サロメは実在の人物とされ、新約聖書にも登場します。
様々な芸術作品(絵画やオペラ)の素材となるほど魅力があるようです。
現状のままでは心が持たないので壊してしまいたい。
美しい金閣寺を燃やしてしまったように・・。
原田 マハ「サロメ」
読書空間 ひつじ日和