(電車はシンプルな赤電がいいな)
神社の鳥居の赤、血は生命の色…と、種々の赤色について話が膨らみ「偏愛ムラタ美術館 展開編」をお客さまにすすめられました。そちらに掲載されている古墳の玄室の壁面が予想もしなかった朱色で驚きました。
ある物や人を偏って愛する。
偏愛するものは存在しますか。
小さな本屋もある種の偏りですものね。
偏愛ブラボーです。
話は逸れますが、こちらの本の中で、著者が祖母からよく聞かされたという言葉に目が止まりました。
字を書けないから五は一を五個書くそう。
平仮名は少しだけ判読できるおばあちゃん。
「よかね、喜代たん。字ィなんちもんを信じたらつまらんど。あげなもんはすらごと(虚言)よ。本みたいなもんは、大すらごとたい。」
なんだかぐっときてしまった。お店ではいつも本に囲まれていますが、私はこのおばあちゃんと同じ感覚も大事にしたいです。
村田喜代子「偏愛ムラタ美術館 展開篇」
読書空間 ひつじ日和