羽根田治「パイヌカジ 小さな鳩間島の豊かなな暮らし」

 

南の島に惹かれてしまうのはなぜでしょう。


沖縄八重山諸島には様々な島があります。
二つの大きな島、石垣島、西表島。
リゾート地で聞いたことのある小浜島。
水牛車でおなじみの竹富島。

西表島の北方に小さな島があります。
1周4km程度、人口は50人程度。
鳩間島。

著者の羽根田さんはこの島に魅せられて、半分住むようになってしまいました。

羽根田さんは山岳系の著作ばかりだったので、なぜ?と少し思ってしまいました。
自給自足のその島に暮らすことと山に登ることはかなり近い位置関係にあるのではとも思いました。
豊かであるけれど厳しい自然。
何でも自分でやらなければならない環境。
閉鎖的な空間と人間関係の中での生活。
魅力的だけれどそれを続けていくことは困難が。

30年くらい前の鳩間島での生活が記されています。

 

バブル景気時代を、開発無しで乗り越えて来た鳩間島。
人口の維持は大変なようです。

あまり変わらずにそのままであって欲しいと、当事者の苦労を知った上でも思ってしまいました。

 

奥田英朗さんの作品「サウスバウンド」を思い出します。

 

羽根田治「パイヌカジ 小さな鳩間島の豊かなな暮らし」

 

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