小田嶋隆「東京四次元紀行」

 

探偵をやっている、という人に会ったことがあります。
組織に属し、何かの依頼に対して調査をしていたようです。
よくあるのは就職の内示を出す前の調査だとか。
その人の出身地に行って近所の人に評判を聞いていたみたいです。
世の中はそんなふうに回っているだとゾッとしました。

世界は知らないことばかりなうえに、知らない人々が想像もつかない暮らしをしているのでしょう。

東京を舞台に、様々な人間の生活を描いた作品が小田嶋隆「東京四次元紀行」です。
物語なのか現実なのか、次第に境界が曖昧になってゆきます。
短い文章なのに登場人物の生活がありありと目に浮かびます。
頭の使われていない部分を刺激されているようです。

東京に住んでいる人には刺激の強度が上がるのかもしれません。

 

もし今度探偵さんに会ったとしたら聞きたいことがたくさんあります。

 

東京四次元紀行

東京四次元紀行

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小田嶋隆「東京四次元紀行」

 

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