「富」という言葉から何を連想するでしょうか。
おそらく金銭的なものを挙げる人が多いかと思います。
カウテル・アディミさんはこの本に「われらの富」というタイトルを付けました。
この本の中の富は本であり出版であり、自由であり、人間関係です。
1900年中盤。
忍び寄るファシズムは少しずつ人々をがんじがらめにしてゆきます。
フランスはもちろん、フランス領アルジェリアも例外ではありません。
書店を破壊されても、言論の自由を統制されても、それに対する行動を起こします。
知識や言論の自由は人類の富である、という言葉が聞こえてきそうです。
資本主義経済のもと、行き過ぎた競争は時代を逆行するかのようです。
富とは、自由とは、平和とは何か。
一旦立ち止まり考え直す必要があります。
カウテル・アディミ「アルジェリア、シャラ通りの小さな書店」
Kaouther Adimi「Nos richesses」
読書空間 ひつじ日和