堀江敏幸「もののはずみ」

 
あとがきにもある通り、その物よりも、そこに潜んでいる物語が面白いです。
 
確かに、これがどうしてここにあるんだろう、というものありますよね。
ぼくは、おそらくオーストリアあたりで書かれた50年くらい前のハガキを偶然手に入れました。
誰かが誰かに書いた手紙です。
何が書いてあるのか全く読めませんが、きっと心温まる内容に違いありません。
 
堀江さんの、紙芝居のような、コマ数の少ないスライド動画のような文章が、登場する「もの」に対してさらに魅力が増すスポットライトを当てているようです。

 

堀江敏幸「もののはずみ」

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