鎖国時代にも漂流して外国に行った人達はかなり居たのですね。
大黒屋光太夫が、1782年に漂流し、ロシアに行って帰ってくるまでの物語。
桂川甫周の「北槎聞略」を基本にしていることは間違いありません
ただ北槎聞略は、光太夫の体験のみですが、この本は井上氏が他の文献も結構丁寧に調べています。
ラックスマン親子のこと、1800前後に漂流してロシアに入った日本人のこと。
それから、エカチェリーナ2世のことから、シベリア地域の歴史まで。
それらがプラスされた上に井上氏の想像が薬味となり、非常に面白い。
光太夫の晩年を思うと心が痛みます。
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井上靖「おろしや国酔夢譚」
読書空間 ひつじ日和