パオロ・ジョルダーノ「コロナの時代の僕ら」

 

理系であり小説家であるためか、非常にわかりやすい文章だと思います。
そして深い洞察力と想像力、行動力があります。
おそらく日本でも、数年は人との接触をできるだけ避けていく日常が待っていることでしょう。
そして著者のあとがきのとおり、各人が元通りになって欲しくないことを考えておくべきです。
人間の軽率な消費行動の結果が今に至っている、という意見に賛同します。
 
 
「今度の新型ウイルスの流行は、何もかも「お前らの(アジア人)」せいではない。どしても犯人の名を挙げろと言うのならば、すべて僕たちのせいだ。」
 
「今後、今回のウイルスよりも恐ろしい感染症のパンデミックが待っている。そのきっかけとなった遠因には人間がおり、僕らのあらゆる行動が関係しているからだ。」
 
「躊躇をした分だけ、その代価を犠牲者数で支払うものと相場が決まっている。僕らがかつて味わったなかで、もっとも残酷な時間単価だ。」
 
 
パオロ・ジョルダーノ「コロナの時代の僕ら」
 
 
 
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