武田砂鉄「日本の気配」

 
こどもたちから「すみっコぐらし」のことをたまに聞きます。
 
残されてしまったとんかつの端片。
気が弱くてすみっこをも譲ってしまうねこ。
自分が何者なのか探すペンギン。
捕まってしまうのでトカゲのふりをする恐竜の生き残り。
 
 
まるで現在の人間の世界のようです。
 
 
 
P249では本多靖春「我、拗ね者として生涯を閉ず」から引いています。
「権力の側に身をすり寄せてはいけない。そうでなくとも弱い立場の人びとは、なおのこと隅っこにおいやられるのである」
 
 
武田さんは、メディアが権力への監視を弱める今、それを危惧し、ライターとしてとても意識しているのだと思います。
 
 
 
笑ったり、怒ったり、せつなくなったりしました。
 
 
 
 
武田砂鉄「日本の気配」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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