吉田篤弘「遠くの街に犬の吠える」

 
不思議なエピソードが重畳してゆき、ふわふわとした気分になります。
 
雨の音でなんとなく意識が戻ってきたその夜、屋上のことと天狗のことについて、半分夢の中でぼんやり考えていました。
 
屋上と天狗がこの物語の薬味となっています。
 
 
天狗が外国人だったのでは、という仮説を初めて聞いた時には、本当にその通りだと思いました。
高い鼻。赤い顔。
白人を知らない人が見たら天狗に見えると思います。
 
 
江戸時代には伊豆で、明治時代には浜松で沈没・座礁した外国船を助けています。
もっと昔に日本に辿り着いた人たちが天狗と呼ばれていたかも。
 
うつらうつら考えながら眠ってしまいました。
 
 
朝、娘が「国語のノートが終わったら同じものを買って欲しい」と見せてくれたノートには、なんと天狗が。
 
 
 
この本のなかに迷い込んでしまったような朝でした。
 
 
 
 
吉田篤弘「遠くの街に犬の吠える」
 
 
 
 
 
 
 
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