すずの兵隊

 

ハートのメッセージ

(ハートはとっておく)


ああ、こんなお話あったなと、空いた時間に小さな発見。少し怖かった記憶も。

 

片足だけのすずの兵隊さんが恋をしたのは、片足を高く上げて踊る美しいバレリーナ。

 

人が寝静まった後のおもちゃ達のパーティ。皆が騒いでもじっとバレリーナをみつめたまま。引き裂かれ流されて、新聞紙のボートが溶けても想うのは、あのバレリーナ。

 

気まぐれな坊やにストーブの中に投げ込まれた翌朝、灰の中に残ったハートの形をしたすずのかたまり。炎につつまれたからか。身を焦がすような愛のせいか。

 

「アンデルセン童話」として、小さい頃に自分の中に蒔かれた種。何十年も後に再び、こうして味わう楽しみはとても奥が深いです。

 

 

読書空間 ひつじ日和