〈瑞々しい感受性で知覚したものを無感動に見送って捨てる。心に妄想があればこの世は甘美に映りその幻に割愛が起こる。〉
「ヴィパッサナー瞑想の言葉」の中で、そ〜んなこと言ったってできないだろうなと、疑問に感じていた一節です。喜びや美をせっかく感じられるこの心を見送るなんて…。
この世の森羅万象のかなでる快い音すべて。
仏教に関する音のこと=梵音。
出家した者はそれらを寂かな心で聴く。
それがあの〈寂聴〉さんの法名の意味なのだそうです。ずっと、もやっとしていたことに対して、ほんの僅かですけれどもヒントをいただけたように感じました。
瀬戸内寂聴「生きることば: あなたへ」
読書空間 ひつじ日和