極めて稀なのですが目を瞠るような景色に出会うことがあります。
写真に撮っても再現は不可能です。
同じ場所に行っても二度と見ることは出来ません。
太陽の光と人間の眼の仕組みが微妙な相乗効果を生み出したのでしょうか。
東山魁夷さんの絵を見ているとその一瞬を捉えたかのように感じます。
東山魁夷さんが京都の四季を描きました。
川端康成さんから「京都を描くのなら、いまのうちですよ。」と言われたそうです。
昭和30年代。
おそらく街並みのちょっとした変化を感じていたのでしょう。
建物や街並みもあれば四季折々の山や竹林もあります。
画も文章も何かしんしんと心に降り積もるような感じを受けます。
「雪降る町」が好きです。
人は誰も居ないのに、存在を感じることができます。
東山魁夷「京洛四季―東山魁夷小画集」
京のやさしさは、烈しさを内に秘めている。
読書空間 ひつじ日和