小学生の時の遊びの一つに、蜂の巣落とし、がありました。
長い棒を持って軒先のあるあしなが蜂の巣を突っついて落とします。
落としたらとにかく一目散に逃げます。
数人で遂行することが多いのですが、逃げる方向は全員バラバラです。
目標を一つにしない意識があったのでしょう。
それでもたまに刺されました。
どうして追い付かれたのか不思議で仕方がありません。
今思えば蜂たちに申し訳なく思っています。
刺されても刺され足りません。
なぜ生態を観察しようとしなかったのか。
観察を実行したのが甲斐さんです。
ひと夏をあしなが蜂の観察に費やします。
際立つ根気と観察力の高さ。
蜂の個性まで識別し、蜂の子を育ててしまうことも。
二度と無い濃密な夏が少しずつ過ぎてゆきます。
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甲斐信枝「あしなが蜂と暮らした夏」
読書空間 ひつじ日和