寛容さがどんどん失われていっているように感じます。
自分と意見の合わない人々に対しては、論破という方法で優位に立とうとします。
強いものには忖度し、弱いものに対しては力で押し通します。
SNSやインターネットは匿名性が高く、力を行使するためのとても便利なツールとなってしまいました。
スペインの哲学者であり思想家であるホセ・オルテガ・イ・ガゼットは考えます。
「文明はなによりもまず、共同生活の意思である」
他社と共存することこそが「文明」であり、手続きや規範、礼節といったものが重要になります。
「違いを認め合いながら共生していく。それは手間も時間もかかる面倒な行為であるけれど、それを可能にするために人間は、歴史の中でさまざまな英知を育んてきた。」
何も考えずに面倒な行為を避け、効率だけを求めていないでしょうか。
大切なものを切り捨ててしまった社会は生き難くさで満たされてしまいます。
マクロ的な視点を持ち、長い時間軸を考慮し、じっくりと時間をかけた議論が必要です。
G・K・チェスタトン
「平凡なことは非凡なことよりも価値がある。いや、平凡なことのほうが非凡なことよりもよほど非凡なのである。」
中島岳志「100分de名著 オルテガ『大衆の反逆』多数という『驕り』」
読書空間 ひつじ日和