カウテル・アディミ「アルジェリア、シャラ通りの小さな書店」

「富」という言葉から何を連想するでしょうか。おそらく金銭的なものを挙げる人が多いかと思います。 カウテル・アディミさんはこの本に「われらの富」というタイトルを付けました。この本の中の富は本であり出版であり、自由であり、人間関係です。 1900年…

読書

本好きにもいろいろなタイプの方がいらっしゃいますよね。私の場合は「まあ好き」で、「めちゃくちゃ好き」ではないくらいの感覚です。 小さな頃から意識せずとも近くにあったという感じ。本のある空間は落ち着くから好き。散歩以外の外出時に何か一冊、読ん…

辛酸なめ子「大人のコミュニケーション術」

独自の世界観をお持ちの辛酸なめ子さん。じわじわと湧いてくるような面白さです。 飲み会に行くんだけれど早く帰りたかったり。年賀状を1,300枚も出したり。(大半が宛先不明で返ってくる)ラインには何日も何も届かなかったり。モテるエッセンスを飲んでみた…

森田真生 編 岡潔「数学する人生」

世捨て人のような数学者、岡潔。数学で偉大な功績を残し、文化勲章を受章した後、唐突に世の中に対し発信を始めます。 唯物主義、個人主義が行き過ぎ、生きる喜びを失おうとしている日本人に対しての警鐘でした。 本来の意味とは異なるのですが「情緒」とい…

執事

夫といつもの買い出しの車内、最近は「ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち」を聴いています。 英語によるインタビューですので、こんなこと言ってたんじゃないかと、後で日本語訳と答え合わせするのが(大まちがい!も含めて)楽しいひと時。リス…

小田嶋隆「東京四次元紀行」

探偵をやっている、という人に会ったことがあります。組織に属し、何かの依頼に対して調査をしていたようです。よくあるのは就職の内示を出す前の調査だとか。その人の出身地に行って近所の人に評判を聞いていたみたいです。世の中はそんなふうに回っている…

「発掘捏造」

人間はどうして不正や捏造をしてしまうのでしょうか。自動車の検査、研究論文、食品偽装、建築物の耐震計算偽造、政治資金。近年だけも数多くの問題が指摘されています。 いくつかの原因が考えられます。個人的名誉、利益、圧力、評価。 やはり強すぎる競争…

小笠山 六枚屏風

(鳥居に頭を下げ元気に出発) よく晴れた春の日、身近にありながら今まで何も知らなかった掛川の小笠山を歩いてきました。写真集「生命輝く 小笠山の四季」の作者で「小笠山を愛する協議会」の代表にガイドをしていただき、小笠山の豊かさにたっぷり触れてき…

武田砂鉄「べつに怒ってない」

あまり動かず、ぼーっとし、何か変なことを考え続けている印象の武田砂鉄さん。きっとどこかに行くよりも部屋に籠っている方が好きに違いありません。 しようと思ったけどできなかったこと、よくわからないけれどひとまず考えてしまったことが集まった本です…

つばた英子・つばたしゅういち「ときをためる暮らし」

太陽が無ければ生きていけない人類。消費するだけではなく全員が生産する側になる必要があります。生産とは太陽の恵みを人間が利用できる形にすること。野菜や果物を育てることなどもそれにあたります。 80代でも元気に畑仕事をするつばた夫妻。自分たちだけ…