2020-01-01から1年間の記事一覧

ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄 上」

人類の歴史です。 なぜヨーロッパの人々が世界各地を植民地にしていったのか。 人種的に優れているから、という考えを否定します。 地理的な条件が一番大きいのではないか。 地理的条件により食料生産効率が上がる。 人口密度が上がる。 いろんな工夫がなさ…

ほしおさなえ「活版印刷 三日月堂」

活版印刷と三日月の文字に導かれました。 活版印刷を中心とした、心あたたまる物語。活字を拾う作業って気が遠くなりそうです。それは現代だから思うことなのですが、手書きの時代からすれば画期的です。活字の本によりあたたかみを感じるのは気のせいでしょ…

変化

心地よい秋風がうれしいですね。お店を開けてひと月、以前の暮らしとは違うリズムが生まれました。同じ様に見えて10年前とは違う。静かに変化し続ける毎日が楽しいです。今週もありがとうございました。 読書空間 ひつじ日和

原田マハ「フーテンのマハ」

旅行に関するエッセイです。寅さんみたいに何処へでも行ってしまうので、フーテン。 実は原田マハさんの本は2冊くらいしか読んだことがありません。いずれもそれほど感銘を受けなかったので、あまり積極的に読んでいませんでした。 それがこの本で覆りました…

内田洋子「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」

ヴェネツィアの古本屋さんで「モンテレッジォ」という名前を知ります。 トスカーナ州にある山奥の小さな村です。 その村人たちは200年以上も本を行商しているとのこと。 その謎を解きにモンテレッジォに向かいます。 ダンテ、ナポレオン、ヘミングウェイ? …

9月の予定(9/21日更新)

9月のスケジュールです。おやすみ 土曜日、日曜日、22日9時~11時くらいが比較的空いています。(とはいえ他の時間も混雑はしていませんが・・笑)(パソコンの場合の場合、右クリックをして「新しいタブで画像を開く」を選択すると大きくなります。)読書の場所…

南谷真鈴「自分を超え続ける」

19歳で七大陸最高峰制覇した南谷さん。 すごい精神力の持ち主です。 本の内容も20歳前後でなかなか書けるようなものではありません。 中学生か高校生に読んでもらいたい。 大切なことが詰まっています。 娘の机の上に置いておこうと思います。 自分を超え続…

中崎タツヤ「もたない男」

物は買うのだけれど、必要ないと判断すればすぐに捨ててしまいます。 机やイスの余分な部分はノコギリで切り取るそうです。 もたない漫画家。 なぜもたないのか、の自己分析が興味深い。 巻末で やましたひでこ さんが対談しています。 (相手は中崎さんでは…

小川洋子・堀江敏幸「あとは切手を、一枚貼るだけ」

書簡だけで進む物語。 内容がどんどん深くなり、その深みにはまり、読み進めてしまいます。 これは想像ですが、事前に打合せなく(少なくとも決まっているのは大枠のみで)書いている気がします。 お二人の豊富な知識にも感服します。 不思議な本でした。 あと…

出会いと再会

朝晩はずいぶん過ごしやすくなりましたね。 うれしい出会いや再会に心がはずみます。 日々の小さな奇跡に感謝します。 読書空間 ひつじ日和

寺地はるな「夜が暗いとはかぎらない」

表紙を見た時、少し読むのをためらいました。 このキャラが物語の柱となります。 ある町の様々な人の人生が交錯します。 人は見かけによりません。 時には涙も出ます。 登場人物が多くてこんがらがってきます。 人物の相関関係をメモしながら読んでも面白い…

穂村弘「きっとあの人は眠っているんだよ」

穂村弘さんの読書日記です。 非常に幅が広く、非常にマニアックです。 (漫画、写真集、詩歌など) マニアック過ぎて読みたくなるものは少しだけでした。 やはり視点というか考え方が面白い方です。 カバー装画が不思議で、誰が描いたか調べてみたら平松麻さん…

ありがとうございます。

今日は雨の中、足をお運びいただきありがとうございました。最近はずっと不安定な天気ですが、みなさまにお会いできると、晴れ間の陽射しのようにうれしい気持ちになります。 「あ〜、お店を再開してよかった♪」 読書空間 ひつじ日和

原田ひ香「ランチ酒」

31歳の女性が昼間からお酒を飲みます。(様々な美味しそうな食事とともに)それには深い訳が。 読んでいるとお腹が空いてくる本です。お酒を飲む方は用心して読んでください。 ランチ酒 (祥伝社文庫) [ 原田ひ香 ]価格: 759 円楽天で詳細を見る 原田ひ香「ラ…

西山雅子「”ひとり出版社”という働き方」

出版社を一人で立ち上げた人たちの半生記です。 少人数で本を作るパワーも凄いのですが、そこに至るまでの背景にも頭が下がります。 小さい出版社を調べてみようと思いました。 良い本がありそうです。 増補改訂版“ひとり出版社"という働きかた 河出書房新社…

ルシア・ベルリン「掃除婦のための手引き書」

初めてです。ルシア・ベルリンさん。 タイトルに惹かれました。 どこで出会ったかは忘れてしまいました。 短編が20個以上入っています。 訳者(岸本佐和子さん)のあとがきを読むとルシア・ベルリンさんの自伝的な内容が多いようです。 ジェットコースターのよ…

ジャック・ロンドン「世界が若かったころ」

ジャック・ロンドンといえば「火を熾す」。 初めて読んだときに衝撃を受けました。 この本でも「たき火」というタイトルで収録されています。 7つの短編のどれも先が気になり読んでしまいました。 子ども向けなんでしょうか。 字が大きくて読みやすいです。 …

お店を開けました

昨日からお店を開けはじめました。 虹が出ていました。 今日(28日)も9時頃~15時頃まで開ける予定です。 土日はおやすみです。 8月31日は工事が入るので未定です。 (11時頃から開けられるかも) 開いている時は「OPEN」が出ています。 ゆっくり読書はいかがで…

米原真理「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」

米原さんは9歳から14歳までプラハで生活していました。 授業はロシア語。 昭和34年。 凄い経験値です。 米原さんがプラハ時代、学校で仲良くしていた個性的な3人のことを書いています。 ギリシャ、ルーマニア、旧ユーゴスラビア。 30年後再会はできるのでし…

松村圭一郎「はみだしの人類学」

面白そうだな、と思って読み始めたのですが、本当に面白い本でした。 そういう視点は持っていなかったなぁ、と。 「わたし」「自分」とは? 「わたし」とはパズルのピースみたいなものです。 周りのピースがあるからこそ形が確定します。 なるほど。 接する…

寺田寅彦「柿の種」

日々思いついたあれこれを短い文章で綴ったエッセイです。 一つ一つの文章はすぐに読めます。 ただその視点というか考察というか考え方が非常に面白い。 佐藤雅彦さんとダブります。 お二人とも理系と文系、科学と芸術という両方の要素を持っています。 だか…

夏の暑さにも

工事が終了しました。 皆さんの職人技、本当にすごいです。 ありがとうございます。 ・保健所に食料品営業許可の申請に行きました。数日後に検査です。 ・クレジットカードの支払いができるように申請しました。 カードリーダーが早速届きました。 ・本の整…

南木佳士「海へ」

「阿弥陀堂だより」以降、何作か読んでいる南木佳士さん。 何かがゆっくりと浸透していくようです。 山に住んでいた人間は海に対してすごく興味があります。 生命は海から発生したからでしょうか。 単調のようで、同じ波はひとつもありません。 海へ (文春文…

吉田篤弘「京都で考えた」

言葉に関する本が続きました。 偶然です。 吉田篤弘さんの本は独特の雰囲気を持っています。 なぜそんな雰囲気が出せるのでしょうか。 答えはこの本の中に。 吉田さんの頭の中を少し覗き見してしまったようです。 「フィンガーボウルの話のつづき」を読みた…

藤原智美「ネットで「つながる」ことの耐えられない軽さ」

言葉に対する考察です。 現在、書き言葉からSNSに代表される「ネットことば」に移行している。 かつてはなし言葉から書き言葉に移行したような大きな大転換期にいる。 というのが本の内容です。 著者の藤原氏は書き言葉を大切にしたい、と考えています。 ぼ…

宮本輝「五千回の生死」

宮本輝さんの小説はどれも好きです。 うまく説明はできないのですが。 村上春樹さんがおっしゃっていたと思います。 「読んだ後にその人の立ち位置が変わったと思える小説が良い小説だ」 宮本輝さんの小説にあてはまると思っています。 短編9つ。 「バケツの…

藤田一照「ブッダが教える愉快な生き方」

「四門出遊」を調べていて出会った本です。 仏教のことよりも「学び方」を記載している本です。 学校的な学びではなく、人生を豊かにするための学び方です。 幼い子が自然に何かを学んでいくように。 老・病・死はそれ自体無くすのではなく、深く理解し、受…

夏目漱石「虞美人草」

漱石さんの本はだいぶ読んだと思っていましたが、この本はまだ読んでいませんでした。 現代に発行されたとするとただの恋愛に関する小説になってしまいそうですが、なぜか面白いです。時代が違うからでしょうか。 初期の作品です。 肩に力が入っているような…

ゆっくり前進

久しぶりにお店のことです。 前回、このままでは食品営業許可が出ない、というところで止まっていました。 2ヶ月も経過していたのですね。 見積は何とかなる金額でした。 保健所に相談に行きました。要件は満たしています。 工事を進めることにしました。 水…

白石一文「僕のなかの壊れていない部分」

先日、久しぶりに白石さんの本(君がいないと小説は書けない)を読んだ影響です。以前読んだ時とは違う感想を持ちました。「人を産むことは、その人を殺すことでもある」これは「君がいないと小説は書けない」にも出てきました。そして親子又は家族関係に問題…