アントン・チェーホフ「かもめ・ワーニャ伯父さん」

 

チェーホフが生きていのはソビエト連邦が成立する前のロシア帝国(帝政ロシア)時代です。
シベリア鉄道の建設時期(1890年頃着工)とも重なります。

 

おそらく人間との交流が一番の楽しみだった可能性があります。
サモワールで沸かしたお茶を飲みながらおしゃべりしていたのでしょう。

 

チェーホフは44歳で亡くなります。
結核の抗生物質はまだ発見されていませんでした。
その晩年に4つの戯曲を書きました。「かもめ」、「三人姉妹」、「ワーニャ伯父さん」、「桜の園」。
この本には「かもめ」と「ワーニャ伯父さん」が収録されています。

 

いずれも人間の交流が記されています。
人間の喜びは人間関係からもたらされますが、苦悩も同様に人間関係から生じます。
ある時は希望を持ち、場合によっては絶望します。

 

この世には強い人も弱い人もいません。
みんな少しだけ強いけれど、弱いところもあります。

 

今も昔も変わらない人間模様です。

 

 

アントン・チェーホフ「かもめ・ワーニャ伯父さん」

 

 

 

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