アーティストへの敬意と感謝の気持ちを込めて、昨年末の演奏会で購入しました。ツアータイトルのアルバムではないのですが、ピンときたこちらを選びました。
何度リピートしても飽きないのが不思議。都度、慰められ満たされた気持ちになります。「それもまた移ろいゆくから大丈夫」と言われているような。
私がまだ幼い頃のこと。働く大人たちの邪魔にならないよう静かに過ごす長い待ち時間を埋める、叔父からもらった古いショパンのレコードがありました。
この「The Chopin Project」を初めて聴いた時、ドキドキしながらレコードにそっと針をのせた、昔々の記憶が蘇ってきました。
ショパンに特別な想いを持つという二人(アリスさんのソロ、オーラヴルさんのリコンポーズ)による作品です。ショパンの原譜とオーラヴルさんの再作曲部分が融合して、今まで聴いたことのない雰囲気。
耳を澄ますと感じられる録音時の気配やノイズ。弱音。完璧から離れることを、聴く人にも許してくれている気がして。このアルバムが好きな理由かもしれないです。
アリス=紗良・オット、オーラヴル・アルナルズ「The Chopin Project」
読書空間 ひつじ日和