2016-01-01から1年間の記事一覧

池上彰「高校生からわかる「資本論」」

難解な資本論を分かりやすく解説した本です。 高校生だけでなく大人にもお勧めです。 資本論はまだ手にとっていませんが、もしかしたらこの本を読むだけで相当理解が進むのでは? そして資本主義の限界が分かります。 資本主義にとってデフレは歓迎すべきこ…

「入門 田中角栄」

最近、田中角栄が持ち上げられています。 なぜでしょう。 あまり良いイメージがなかったのですが。 その理由を探るために読んでみました。 なるほど、という部分と、やっぱり国民が納得できなかった部分があったんだと思いました。 細かなことは書かれていま…

「アベノミクス大論争」

まだアベノミクスは継続しているわけですが。 結局金融緩和はうまくいかなかった、という結論になるかと思います。 今、資本論についていろいろと調べているのですが、資本主義はデフレを大歓迎するシステムなんですね。 経済成長を追求する限り、デフレとは…

萱野稔人「金融緩和の罠」

今更ながらに読みました。 アマゾンのレビューが賛否両論真っ二つでびっくりしました。 藻谷氏嫌いな人が多いのでしょうか。 先月、日銀が金融緩和策を少し転換しました。 マイナス金利維持、長期金利0を目指す、と。 そもそも金融緩和については全く不案内…

池上彰x佐藤優「希望の資本論」

いつか読みたいと思っていてもなかなか手が伸びない資本論。 解りやすく書いてある本から外堀を埋めようと思いました。 ただ、この本を読んで、読まなければいけないという思いを強くしました。 資本主義を理解するだけでない効用があるようです。 国会議員…

池上彰「聞かないマスコミ 答えない政治家」

良い質問をするマスコミと、それに真摯に応える政治家がいると、良い政治が行える要素になる。 今の日本の現状はどうか。 池上氏やジャーナリストの過去の質問を事例に池上氏が良い質問とは何か、解説をします。 ジャーナリストでなくとも参考になる点が多々…

「渋沢栄一に学ぶ「論語と算盤」の経営」

16人の著者が渋沢栄一をそれぞれの角度から記述します。 多少重なっていることがありますが、渋沢栄一の基本的なことを知るには十分ではないでしょうか。 幕末~近代日本で経済活動に深く関与した人物です。 とてもパワフルで一本筋の通った人だとわかります…

松沢成文「教養として知っておきたい二宮尊徳」

二宮尊徳のすごさを実感しました。 そして著者松沢氏のすごさも。 日本人はこの考え方をベースに生きて行くべきだと思いました。 良い世の中になると思います。 今後の政治を松沢さんに頑張っていただきたい。 掛川市は行くととても良い雰囲気なんです。 そ…

蓬台浩明「吉田松陰の言葉に学ぶ 本気の生きざま」

吉田松陰のことを少し知りたくて読みました。 なんと著者は浜松の都田建設の社長さん(蓬台氏)でした。 いろいろと気になる会社です。 かなり勉強をされている社長さんなので、きっと会社の雰囲気も良いのでしょう。 この本には吉田松陰の名言が37個載ってい…

ロレッタ・ナポリオーニ「イスラム国」

第二次世界大戦後、大国により蹂躙された地域で、まだ正常に戻っていない地域の一つ。 だからこそ台頭してきたイスラム国。 その成り立ちを詳しく、でも解りやすく書いています。 単なる恐怖だけのテロ国家ではないことがわかります。 ポリオの予防接種も受…

池上彰・森達也「マスコミの大問題」

マスコミの使命、どうあるべきかから、日本のマスコミの問題点、ニュースへの接し方、など多岐にわたった対談集。 最近対談集はどうなんだろう、と思っていましたが、これは良い本だと思います。 この二人の立ち位置だからこその視点ですね。 マスコミの使命…

鴨長明「方丈記」

先日、中日新聞のこどもウィークリーにも掲載されていました。 地位や名誉、物をいくら所有しても心平穏に暮すことはできない。 方丈の家に住まい、簡素な生活を実践した者だけに理解できることがある。 現代も同じではないでしょうか。 どんな時代でも人間…

池上彰「世界の新常識」

世界の新常識、というタイトルで??と思いました。 読んでみると、池上氏が訪れたいろんな都市に関する歴史が学べるエッセイです。 各都市、国の歴史、特に近代史が面白い。 切り口が良いですね。 タイトル次第でもっと関心が高くなると思います。 個人的に…

宮本輝「命の器」

宮本輝さんのエッセイ。 本をよく読み、おそらく新聞も読んでいるでしょう、そして自分の頭で考えているからこその文章です。 少し古いのですが、今もそう思うことばかりです。 読みたい本も増えました。 新装版 命の器 (講談社文庫) [ 宮本 輝 ]価格: 649…

吉本ばなな「白河夜船」

ふわふわとしている感じがばななさんらしかった。 この3つの中では「夜と夜の旅人」が好きでした。 白河夜船の由来も面白いですね。 福武文庫版で読みました。 白河夜船 (新潮文庫 新潮文庫) [ 吉本 ばなな ]価格: 539 円楽天で詳細を見る 吉本ばなな「白…

山岡正義「魂の商人 石田梅岩が語ったこと」

石田梅岩という名前を、ここのところ何回か聞くことがありました。 どんな人か知りたくて、まずはこの本から。 著者の山岡氏は経営コンサルタントです。 日本全国いろんな会社を見て、良い会社の条件は石田梅岩にありそうだとのこと。 石田梅岩の思想を軸に…

司馬遼太郎「項羽と劉邦 下」

連戦連勝の武の項羽に対し、いつも逃げ腰だけれど、側近の智に助けられた劉邦。 圧倒的に項羽が強かったのに、いつの間にか形勢が逆転します。 オセロゲームのように。 その原因は項羽の聞く耳を持たない姿勢だったり、略奪を許すような兵の管理方法だったり…

司馬遼太郎「項羽と劉邦 中」

項羽軍が秦を滅ぼします。 それからの出来事。 劉邦は滑稽ですらあります。 それに対し、項羽は力で押してきます。 劉邦には個性ある人達が集まってきます。 半分はその人たちの物語ですね。 下巻も楽しみです。 項羽と劉邦 中 (新潮文庫 しー9-32 新潮文庫…

司馬遼太郎「項羽と劉邦 上」

漢詩の本を読んでいて、やっぱり気になる二人です。 戦国時代を秦が統一して終わります。 その時代の始皇帝から物語が始まります。 項羽、劉邦の生い立ち、そして秦をどのように追い詰めていくかが、上巻の主な内容です。 司馬さんもすごいのですが、歴史が…

桐光学園大学訪問授業「日本の問題点」

桐光学園にて行われている特別授業の書籍化です。 これは2014年度のものですね。 良い授業ばかり。 中学、高校で聴くことが出来るのは人生において特別な経験になると思います。 大人が聴いても面白い。 中学生、高校生の感想を聞いてみたい。 高校生と考え…

湯浅誠「ヒーローを待っていても世界は変わらない」

先日ネットのコラムを読んでいて、良い文章を書く人がいるなぁ、と思いました。 それが湯浅氏です。 そこに著書が記載されていてこの本もそこで知りました。 内容は本当にその通りだと思います。 手足を動かさず、口だけ動かす評論家みたいになってしまって…

一海知義「漢詩入門」

まず、岩波ジュニア新書だったのですが、内容は大人向きです。 大人でも難しいくらい。 漢詩の奥深さを思い知らされます。 いろんな決まりごとはもちろんのこと、昔の漢詩を知っていることでさらに奥行きが増します。 文化がその文化を厚くしていきます。 い…

サン=テグジュペリ「星の王子さま」

娘が図書館で借りてきました。 夏休みの読書感想文を書き始めました。 ちょっとハードルが高いかな、と思いましたが、小学生が読む意味もあるのではないかと考え直しました。 でも最後に読んだのは5年以上前なので読み直すことにしました。 やっぱり奥が深い…

童門冬二「小説毛利元就」

以前から知りたいと思っていた毛利元就。 やっぱり魅力的な人です。 考え方が立派ですね。 現代の会社経営にも向いていると思います。 大まかに知るにはこの本で十分ですが、もう少し深く知るにはいろいろと手を出さなければいけません。 どこかの首相が強調…

夏目漱石「硝子戸の中」

晩年病気がちでなかなか外に出ることができない時期のエッセイ。 硝子戸の中、とは家の、もしくは部屋の中での考察、みたいなことでしょうか。 これだけ有名な人なのでいろんな人が訪ねてきます。 断らずに会うところが良いですね。 無理なものは無理とはっ…

中勘助「銀の匙」

幼少期から10代後半までのおはなし。 時代的には明治時代くらいでしょうか。 最初はとっつきにくいかもしれません。 だんだんと面白くなってきます。 大きなことは何も起こらないんですけれど。 小確幸の積み重ねです。 時代もなかなか良いのではないでしょ…

浜野卓也「黒田官兵衛」

非常に人間として魅力のある人ですね。 戦国時代にありながら知力と人望で戦っているのが良いです。 晩年の、九州制圧が面白いです。 無血開城ばかり。 如水(黒田官兵衛)ならば命までは取られまい。 開城した方が得である。 と思わせたからですね。 非常に深…

宮本輝「青が散る」

20年ほど前に初めて読んで感銘を受けました。 今回は8年ぶり3,4回目くらいだと思います。 何度読んでも良い作品だと感じます。 4年かけて書いたそうです。なるほど。 人間の心ってこういうものではないかと思います。泣けます。 辰巳教授の言葉が好きです。…

上野歩「削り屋」

汎用旋盤を極める物語です。 少し物足りませんでした。 あえて読まなくても良いのでは、と思います。 削り屋【電子書籍】[ 上野歩 ]価格: 715 円楽天で詳細を見る 上野歩「削り屋」 読書空間 ひつじ日和

堀江敏幸「めぐらし屋」

すごくぼんやりした時間が流れる本です。 それでいて細かいことは非常に細かく描写されています。 名前のこと、百科事典のこと、傘のことなど。 もし続編があるなら、いろんな人が繋がっていくのでは、という予感があります。 その前に終わっちゃうところも…