2015-01-01から1年間の記事一覧

樋口隆一「バッハ カラー版作曲家の生涯」

歳を重ねるにつれバッハの良さが身にしみます。 どうしてでしょうか。音楽理論は分かりませんが、基本の繰り返しみたいな感じが、人間もそうだな、と歳を取って思うからでしょうか。 バッハは生前はそんなに名声が高くなかったんですね。300年近く経った今、…

キャサリン・サンソム「東京に暮す」

戦前の日本の様子や、日本人の民族性が興味深いです。 謙虚で、他人を優先する優しい日本人。 子供や家を大事にし、なんでも風呂敷で包んでしまう。 今ではかなりの乖離があります。 キャサリンさんはどう思うかな。 それからどうして戦争なんてしちゃったん…

坂本光司「日本でいちばん大切にしたい会社3」

坂本氏が一貫して訴えている、たいせつにしたい会社の条件。 その通りだと思います。 経験上社員の満足度が低い会社はそれなりですよね。 中小企業がどうやったらこのような指針を上げていくことができるか。 創意工夫のやり甲斐があります。 日本でいちばん…

佐伯啓思「欲望と資本主義」

こういう本は非常に分かりにくいものが多いのですが、この本は分かりやすく、そしてなるほど、と思う部分がたくさんありました。 もう20年以上前の本なんですね。 あまり資本主義に傾倒する社会にはなって欲しくないと感覚的に思っていました。 でもその裏付…

村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

若いころにできたこころの傷は、誰にでもあるんだと思います。 そして表面的には癒やされても、内側の方はまだ完治していないことも。 2回目ですが、またよく理解できました。 シロが浜松で事件に巻き込まれます。 昔浜松でピアノの先生が殺されてしまった事…

NHKスペシャル取材班「ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか」

ホモサピエンスの誕生から20万年。 人間とはどういう生き物なのでしょうか。 人間の心に焦点をあて、人間たらしめている秘密を探ります。 全体的に面白かったんですが、第4章が衝撃的でした。 お金の存在がどれほど人間のこころを揺さぶってきたか。 それも…

パール・バック「つなみ」

パール・バックがこんな作品を書いているなんて知りませんでした。 径書房の、他の本を読んでいたら、カバー裏に紹介があり興味を持ちました。 パール・バックさんが男か女かも知らないくらいでした。 「大地」という作品は知っていましたが。 真に豊かな生…

坂本光司「日本でいちばん大切にしたい会社がわかる100の指標」

大切な会社はどんなところに注力をしているか、指標化したものです。 真意を理解するとさらに良いですね。 会社とはこうあるべきだと思います。 これを標にし、どこに向かうか考えなければなりません。 早速エクセルに入力し、点数化できるようにしました。 …

池上彰「池上彰が読む小泉元首相の「原発ゼロ」宣言」

小泉さんの、この発言は、国民一人一人が考えるべき問題であることを示唆しています。 池上さんは非常に中立な立場です。 ただ、みんなで知恵を出して進めていけばなんとかなるという道もあるんじゃないか、という思いも見られます。 人は何のために生きてい…

坂本光司「経営者の手帳」

「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズで繰り返し述べられていることがまとめられています。 坂本氏の意思が、短い言葉となって詰まっています。 すぐに、どこからでも読むことができるので、時折忘れないようにぱらぱらと見るべき本です。 経営者の手…

池上彰「そうだったのか!現代史」

池上彰さんについては、実はあまり興味無く過ぎてしまいました。 しかし、先日桐光学園の特別授業の本を読んでいて、魅力的な方だと感じました。 この本は多分父親が読んだんだと思いますが、本棚に入っていたので手に取りました。 非常に分かりやすく、しか…

宗次徳二「CoCo壱番屋 答えはすべてお客様の声にあり」

TOPがここまでお客様の声に敏感だと良い会社になりますね。 知り合いが宗次さんの講演会を聞き、感銘を受けたことから読んでみました。 講演会の内容とは全く違いましたが、それにしても決めたことをやり通す人だと思いました。 しかも前向きに。 CoCo壱番屋…

坂本光司「日本でいちばん大切にしたい会社2」

引き続き非常によい本でした。 前からよい会社だな、と思っていたところも掲載されていました。 本当にその通りです。 関係するみんなが、少なくとも嫌な思いをすることが無いような会社にしたい。 またそういう社会を望みます。 日本でいちばん大切にしたい…

坂本光司「日本でいちばん大切にしたい会社」

会社にとって、人は本当に貴重です。 人を大切にできない会社は本当に伸び代が限定されてしまいます。 対極の会社にいたこともあるのでよくわかります。 とにかく現状をこの本に近づけていきたい。 日本でいちばん大切にしたい会社 [ 坂本光司 ]価格: 1540 …

夏目漱石「坊っちゃん」

いつ読んだのかも覚えていないくらい昔に読みました。 今回読みなおしてみて、”滑稽”という文字が似合う作品でした。 竹を割ったような性格が面白いんです。 滑稽なんだけれども、清との関係がちょっと切ない。 夏目漱石さんの大方の作品とはちょっと違う印…

坂本光司「日本でいちばん大切にしたい会社4」

よい本でした。そして泣けました。 従業員を大切にする会社は結果も付いてくる。 頭では分かっているはずなのになかなかできないことです。 そして実は小さい会社の方が実践はたやすいはず。 中小企業に働いている人に、特にお勧めです。 日本でいちばん大切…

夏目漱石「明暗」

一番よいところで終わったんだと思います。 これよりも前では物足りないし、これより後だと、もしかしたらだらだらと続いてしまったかもしれません。 役者が揃ったところで、突然のシャットダウン。電源が突然落ちてしまったように。 未完作品は、未完だから…

伊坂幸太郎「首折り男のための協奏曲」

最近の伊坂さんを知らなかったので読んでみました。 短編集でした。 最初の作品は読み始めて、どこかで読んだことあるなって思いました。 「Storry Seller」に入っていたやつですね。 黒澤さんも出てきて面白かったです。 合コンの話の、ある人がどうしてそ…

村上春樹「遠い太鼓」

本棚に長い間入っていたのですが、その厚み(570ページ)からなかなか読み始めることができませんでした。 先日ふと手にとってみたら、ちょうど40才前後の文章だという内容が目に入ってきた。 同じくらいの年齢じゃないか、読まなければ、と、とうとう読み始め…

家康くんから届いたもの

先日、浜松駅で金色の家康くんをみかけました。 近寄ってみると、足元に賽銭箱みたいな箱があり、貴名受けと書いてあります。 名刺をここに入れると何かが届くらしいです。 浜松市に住んでいながら知らなかったので、とりあえず入れてみることにしました。 1…

中村航「小森谷くんが決めたこと」

まずは疑問。 これは本当に実在の人を取材して書いたのか、 それとも、実在の人を取材して書いた、ということも小説(フィクション)の一部なのか。 でも読み始めたらそんなことどうでも良くなりました。 小森谷くんの紆余曲折で、それでも実直な人生が心に沁…

堀江敏幸「いつか王子駅で」

桐光学園の特別授業を書籍化した「わたしがつくる物語」で、堀江さんが授業をしていました。 その中でこの本の内容を語っていました。「書斎の競馬」に連載していたので、馬が出てくること。 タイトルは、ちょうどその時「Someday My Prince Will Come」(い…

桐光学園特別授業Ⅶ「わたしがつくる物語」

桐光学園の特別授業を活字にしたものです。 中学、高校時にこういう話を聞けるのは非常に貴重な経験ですね。 大人になってからでも聞いてみたい。 堀江敏幸さんと、柴田元幸さんはさすがです。 池上さんはニュース解説よりも経験談の方が面白いんじゃないか…

酒井順子「地震と独身」

独身かどうかを問わず、4年前の地震はいろんな人に、想像もできない影響を与えました。 独身にスポットをあてたのは、酒井さんならではと思います。 頑張っている人がたくさんいます。 「アンダーグラウンド」みたいな雰囲気を感じました。 もうすこしライト…

スティーブン・キャラハン「大西洋漂流76日間」

普通の人は大西洋のど真ん中にたった一人取り残されてしまったら、諦めて死を選ぶと思います。 知能、技術、行動力があったからこそ、2ヶ月半も生き延びられたのでしょう。 水の蒸留方法については、何かあったときのために知っておきたいと思いました。 海…

橋本武「解説 百人一首」

娘が百人一首を学校で習い始めました。 ぼくも復習しようと思って読みました。 昔しっかりやっておかなかったことを後悔します。 今読むとどれも面白いですね。タイムマシンがあったら当時の自分に教えてあげたい。 31文字程度でいろんなことを表現するのは…

中原みすず「初恋」

当時を騒がせただろう3億円強奪事件は、主人公が進んで選んだ通過点に過ぎません。 それよりも、それまでの人生、それからの人生、家族、友人との関係が非常に重要なものです。 これらの物語がパズルのピースのように少しずつはまっていきます。 5年くらい前…

吉田修一「初恋温泉」

いろんな背景を持った人たちが温泉へ向かいます。 温泉は彼らを救うのか。 温泉は同性どうしでゆっくり入る方がむいているように思います。 あ”-とか言いながら。 初恋温泉【電子書籍】[ 吉田修一 ]価格: 385 円楽天で詳細を見る 吉田修一「初恋温泉」 読書…

枡野俊明「怒らない禅の作法」

怒らないため、だけでなく、成熟した生活を望むのであれば必要なことだと思います。 任運自在 啐啄同時 本来無一物 日々、自分の行動を確認していきたいと思います。 怒らない 禅の作法 (河出文庫) [ 枡野 俊明 ]価格: 572 円楽天で詳細を見る 枡野俊明「…

野坂勇作「しもばしら」

しもばしらだよ、と教えて、二人でざくざく。 土の中に氷ができるんだよ、と教えたけれど、そういえば詳しいことは何一つ知りませんでした。 昔、あんなにざくざくやったのに。 土がポイントなんですね。 それから、外気は冷えても地中は水分が凍っていない…