2017-01-01から1年間の記事一覧

福岡伸一「遺伝子はダメなあなたを愛してる」

文庫を入手しました。 2013年以来2度目です。 ですが、いろいろな示唆に富んでいました。 新しく勉強しなければならないと思うこともありました。 先日Eテレで坂本教授と対談をしていました。 福岡ハカセの傾聴する態度が気持ちよかった。 世界をわかりやす…

宮本輝「幻の光」

短編4つ入っています。 20代の初期に読んでいたようです。 まったく覚えていませんでした。 初めて読むのと変わらず読めました。 人の心をえぐるようなエピソードを次から次へと、よく考えるなぁ、と思います。 宮本さん、すごいです。 幻の光 (新潮文庫 み…

司馬遼太郎「手掘り日本史」

司馬遼太郎さんの本を読むとすごいと思います。 それは知識の量、質が桁違いであること、またその知識を基にした視点の持ち方が独特であること、等の理由からでしょうか。 あまり現状の評価にとらわれないんですね。 小説も面白いのですが、歴史に関する知識…

宮本輝「道頓堀川」

この本は家の本棚におさまっていて、ずっと読まれるのを待っていました。 先日なぜか手にとって読み始めました。 とても大きなことが起こるわけではないのだけれど、なぜか読み進めたくなり、そして他の本も読みたくなります。 人間誰もが問題を抱えていて、…

ジョージ・オーウェル「一九八四年」

すごい世界観で、先が気になって読み進めてしまいました。 こういう状態になっても不思議ではありませんね。 何かのボタンを掛け違えればその可能性は十分あります。 ビックブラザー的なものも、実はもうあるんじゃないでしょうか。 1940年代の世界からここ…

司馬遼太郎「坂の上の雲 八」

司馬遼太郎氏が40代の約10年間を費やしたというだけあり、とても面白かった。 よくそこまで調べたと思うことばかりです。 8巻は日本海海戦に費やされています。 なぜ圧勝できたのか。 圧勝でなければ終戦になっていなかったのかも。 全体を通じて正岡子規、…

「自由貿易は私たちを幸せにするのか?」

TPPや自由貿易はとてもよいことのように言われていますが、本当にそうなのでしょうか。 疑問を持った方は是非この本を読んで見てください。 大企業や大富豪に有利なだけです。搾取されるのは一般市民。それがひどくなっていくようです。 投資家対国家の紛争…

司馬遼太郎「坂の上の雲 七」

日本にとっては苦しい戦いが続きます。 陸軍の戦力は劣り、秋山真之も、いつどこにバルチック艦隊が現れるか悩む。 それに比べてロシア軍は充実しています。 バルチック艦隊はかわいそうになってきますが。 宮古島のエピソードが面白かった。 すごい人たちで…

志賀櫻「タックス・ヘイブン」

時折混ぜられた著者の経験談が面白い。 パナマ文書はこれが出版された後ですね。 タックスヘイブンを利用しているひとの尻拭いをしているのは、一般の人たちです。 みんなで怒って、変えていかなければいけません。 行き過ぎた自由主義も若干の修正が必要で…

司馬遼太郎「坂の上の雲 六」

黒溝台の戦いから、奉天戦の準備まで。 兄、秋山好古は黒溝台である程度活躍します。 北方へ出た騎兵がかなり有効ですね。 バルチック艦隊はやっとインド洋です。 やっぱりちょっと滑稽ですね。 どうやって日本海で戦うのでしょうか。 秋山真之も2度目の出陣…

司馬遼太郎「坂の上の雲 五」

児玉源太郎、すごい人だと思いました。 あまり頭を使っていなかった旅順方面の乃木に代わり、児玉源太郎が指揮をしてあっというまに逆転します。 高校野球も戦争も、指揮官が大事ですね。 バルチック艦隊がかわいそうになってきました。 残り3巻。 坂の上の…

大崎善生「いつかの夏」

新聞の書評で、大崎氏が「もうこれで最後かな」と、執筆活動の集大成を思わせる内容があり、読む気になりました。 大崎氏のノンフィクションは初めてです。 この本は意義があるのではないか、と思いました。 徹底的に被害者寄りの視点で書かれています。 磯…

司馬遼太郎「坂の上の雲 四」

やっと半分程度終了でしょうか。 長いのです。 4巻は黄海海戦、遼陽、沙河、旅順等の戦いです。 陸軍はこの頃から太平洋戦争終了まで変わらず、だから戦争ばかりしてしまっていたのではないでしょうか。 現代の戦争では海戦というのはありえるのでしょうか。…

司馬遼太郎「坂の上の雲 三」

日本政府は日露戦争には消極的だったんですね。 兵力の違い、予算の違いから劣勢は明確でした。外交による解決を最後まで模索していたようです。 外交でけでは解決できなかったのは時代だからでしょうか。 劣勢だからこそ工夫をします。 お金が無いから頭を…

司馬遼太郎「坂の上の雲 二」

2巻の終わりはこの頃のロシアについて。 どのような経緯で日露戦争に至ったか。 日清戦争も日露戦争もこんなに細かく知ることは今までありませんでした。 それにしてもピョートル大帝、すごいですね。 正岡子規と真之、漱石との交流も心温まります。 正岡子…

北野武「新しい道徳」

著者は、学校の道徳教育について、本当にそれで良いのか、という疑問から訴えます。 でも道徳は必要なものだとも認識があります。 そもそも道徳という言葉が一人歩きしてしまい、都合よく解釈しているために起こっている問題ではないでしょうか。 結局、寛容…

森まゆみ「暗い時代の人々」

新聞の書評で紹介されていて興味を持ちました。 共謀罪が強行採決されてしまった今、本当に似た時代になってしまったと思います。 戦争が全面的に賛成されてしまった世の中でも、正しいことをやっていた人たちがたくさん居たのは救いです。 みんな逮捕歴があ…

堀井憲一郎「若者殺しの時代」

内容は、筆者が過去を振り返り、それにデータを若干添付し、主観客観の両方から考察を加えています。 雑誌、ドラマ、ミステリー小説等を細かく調べているのは面白い。 タイトルと内容が若干マッチしていないようにも感じます。 資本主義の行き過ぎを警告し、…

司馬遼太郎「坂の上の雲 一」

先日日本の歴史を読んでいて、正岡子規と秋山真之と親交があったことを知りました。 この本を読むべき時がきたのでは、と思った瞬間です。 物語は秋山兄弟、正岡子規の幼少時代から青年時代を中心に進みます。 1巻の最後は日清戦争です。 この頃日本の人口は…

ヘンリー・D・ソロー「森の生活」

購入して5年くらい経っちゃいますでしょうか。 読み始めてからも3ヶ月くらいかかりました。 他の本を読んでしまったりして。 ソローさんが2年ちょっと、森の中の小さな小屋で生活をすることになりました。 どうしてそうなってしまったのか、そしてその生活は…

ビートたけし「テレビじゃ言えない」

最初の方はふむふむと思うこともありますが、まあだからと言ってあえて特別に読むべきものでも無さそうです。 読みやすい本ですけれど。 この方はもしかしたらあるテーマを真面目に論じたら、本当に価値のあるものになるかもしれません。 テレビじゃ言えない…

日本の名随筆 別巻73 野球

正岡子規が野球に熱心だったと聞き、それなら何か文章を残しているはず、と調べてたどり着いたのがこの本です。 夏目漱石、寺田寅彦、井伏鱒二、坂口安吾、などいろんな人が野球に関する随筆を残していることにびっくり。 そして、作品社の「名随筆」シリー…

せきしろ「去年ルノアールで」

せきしろさんが短歌を作っている本を読んで、ちょっと興味がありまして。 たまに面白い章(部分)もあるのだけれど、どんどん読み進めたくなる本か?と問われると、うーんと考え込んでしまいます。 ちょっと物足りない感じがしました。 去年ルノアールで 完全…

「集英社 日本の歴史」

子供(小学生)が読んでいます。 昔よりも充実していますね。特に近代~現代にかけて。 バブル崩壊、冷戦の終結、PKO、小泉内閣、アラブの春、インターネット、東日本大震災、集団的自衛権のことにまで触れています。 日本の歴史の大きな流れが理解できます。 …

西加奈子 せきしろ「ダイオウイカは知らないでしょう」

タイトルに惹かれて読みました。 「ダイオウイカは知らないでしょう」 何を?って一瞬考えてしまいます。 あと最近の短歌熱もあります。 内容は良くも悪くも、と言った感じです。 最後の短歌関連エッセイは良かった。 ”たんか”と入力して変換すると”単価”と…

穂村弘「はじめての短歌」

解説(山田航氏)より「この本はただの短歌入門書ではない。短歌入門書の仮面をかぶったビジネス書である。」 ところどころ笑いながら読みました。 資本主義経済や効率の対極に位置付けられる短歌。 しかも反対側にあればあるほど良いものが生まれます。 昨今…

池田香代子「世界がもし100人の村だったら お金篇」

とてつもなく深くて幅の広い溝があるようです。 これを埋めるのはとても大変そうです。せつない。 お金は、多分、沢山もつともっと欲しくなっちゃうんでしょうね。 ある意味庶民で良かったと思います。 グローバル・タックスはやってみたら良いのではないか…

池田 香代子「世界がもし100人の村だったら 完結編」

少し前の統計ですが、さほど変わりは無いでしょう。 もしかしたら貧富の差はますます広がっている可能性はあります。 GDPの高い国=豊か と思ってしまうと、見誤ってしまう可能性があります。 豊かさとは何か、みんながしっかりと考え、定義をひとつにするこ…

福岡伸一「生命科学の静かなる革命」

読み始めて、どこかで読んだことあるな、と思いました。 確かkotoba(雑誌です)じゃなかったかな。 2014年7月号を見返したらやっぱりそうでした。 1章、2章がkotobaからで、3章がソトコト(これも雑誌です)からと最後に記載がありました。 3章では福岡ハカセが…

田坂広志「なぜ、働くのか」

たまに田坂氏の本を読んで思考のリセットをしなければと思います。 働く意義を非常に哲学的に記載しています。 具体的に何をするか、までは教えてくれません。 それを求めている方には消化不良な本なのだと思います。 分量は非常に少ないです。こういうテー…