カズオ・イシグロ作品に共通するテーマ「記憶」。
この作品もやはり記憶がキーワードの一つとなっています。
人間から記憶がなくなってしまったらどうなるのでしょうか。
憎しみが消え、争いがなくなるのでしょうか。
それともただただ平滑な台のようなつるつるした毎日になってしまうのでしょうか。
どの記憶が保持され、何が消えてしまうかによっても変わってしまいそうです。
それによって人間関係も大きく左右されそうです。
時代はかなり昔。
舞台はイングランド。
アーサー王が活躍した後のこと。
今までのカズオ・イシグロ作品と大きく違うかな、と思いながら読み始めたのですが、空気感のようなものはそのままでした。
そして人間がどのように生きていくべきか、ということについても。
カズオ・イシグロ「忘れられた巨人」
読書空間 ひつじ日和