読書空間 ひつじ日和

浜松市の小さな書店です

2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧

どっちもいい

ある時こどもの口から「どうでもいい」という言葉が出ました。いつも心優しい彼が、葛藤に向き合わなくてはいけない場面で思わずぽろり。 一見ネガティブに思える「どうでもいい」 「どっちでもいい」そう思えるようになると次第に、 「どちらもいい」「どっ…

2025年10月の予定

2025年10月の予定です。急に日程、時間等、変更する可能性があります。事前に当ブログでご確認ください。 営業日 水、木、金曜日 10時頃~16時頃おやすみ 土、日、月、火曜日 ・静かな空間づくりにご協力ください。・喫茶の提供はございません。 読書空間 ひ…

内田百閒「百鬼園随筆」

迷路にはまり込んでしまったような不思議な文章。随筆とありますが、半分くらい、いや半分以上妄想なのではないでしょうか。 借金についてたくさん書いています。ナニワ金融道を思い出してしまうような。内田百閒金融道。 全てにおいてルーズなのですが、強…

黒野伸一「限界集落株式会社」

人間が生きて行くために必要な食料。その食料は太陽と大地からの恵みです。農業はその恵みを変換する作業と言ってもいいかもしれません。 もし目の前に潤沢に食料があったら人は齷齪働くのでしょうか。おそらく生きがいとしての労働以外は必要無いと思います…

店舗案内

読書空間 ひつじ日和 店舗案内 静岡県浜松市にある小さな書店です。 ひとりの時間をお楽しみください。

センスオブワンダー

(ヒメシャラの鮮やかな木肌) レイチェルカーソン「センスオブワンダー」の新訳を読んだ友人からうれしい便り。読後ほやほやの気持ちをシェアしてくれました。 自然の中に身を置き、仕事も暮らしも日々たくさんのセンスオブワンダーに触れている彼が「この感…

2025年9月の予定

2025年9月の予定です。急に日程、時間等、変更する可能性があります。事前に当ブログでご確認ください。 営業日 前半 木、金、土曜日 17時頃~20時頃おやすみ 日、月、火、水曜日 後半 水、木、金曜日 10時頃~16時頃おやすみ 土、日、月、火曜日 ・静かな空…

岸田麗子「父 岸田劉生」

麗子像で有名な岸田劉生。どんな人生を送ったのでしょうか。麗子像のモデルの麗子さんが、父親のことについて語ります。 自分に厳しく、才能もありました。ただ晩年は楽しいことへの誘惑に負けてしまっていたようです。お酒がメインですね。毎年元旦に「今年…

新井見枝香「本屋の新井」

ある人の行動や嗜好を点だとします。点が積み重なって線や面、そして立体化してその人の人生になってゆきます。 読書もその点の一部です。面白いと思う本は人それぞれ異なります。立体の中心部に近いほど面白いと感じる本ではないでしょうか。 新井さんは書…

連理木

2本の木が重なった連理木(レンリボク)をみつけました。縁結びや夫婦和合の象徴として吉兆なのだそうです♪ 読書空間 ひつじ日和

長尾剛「牧野富太郎の恋」

牧野富太郎の生涯を要約したような内容です。 小学校に掲示してあった植物の絵に魅せられた牧野富太郎。生涯をかけて日本の植物を研究することに。 様々な障害がありますが常に前向きです。金銭的であれ人間関係であれ天災であれ。 長い間一つの事にのめり込…

西川美和「ゆれる」

田舎の閉塞感。親子関係。兄弟関係。男女関係。自由にふるまう人、まとめようとする人。すぐに怒りをぶつける人、なだめる人。過去と未来。 様々な要因がからまりあってある事件が起きてしまいました。嘘をついているのは誰なのか。破壊されたものを元に戻す…

清潔

物事をありのままに観るのは清潔ですね。余分な想像を付け加えたり願望を押し付けたりというのはいい気はしません。 頭の中が思考だらけってなんか気持ち悪い。感じたことを感じたままに。意味付けしない清潔さ。 この人は清らかと感じたのはそういうこと。 …

吉野弘「くらしとことば」

詩人である吉野弘さんが1970年代に書いたエッセイ集。 ことばを扱う人であるからこそ、ことばにとても敏感に反応します。ことばに対してとても柔軟です。これまでになかった組み合わせについても興味を持って考えます。そうやって新しいことばが定着してゆく…

朝井リョウ「正欲」

昭和、平成、令和と時代を経るにつれ、何か昔のしがらみみたいなものから自由になっている気がします。その一方、自由や多様性という名のもとに、正しさの範囲が狭くなっているのでは、と思うこともあります。 正しさ、という言葉も難しいいですね。何が正し…

心の糧

「良書は心の糧」と母は教えてくれました。目を患う前、若い頃の母はきっと多くの文章に触れていたのでしょう。両親の書棚で私が惹かれるのは決まって母の本です。 良質な本に出会った時、これは見逃せないと身体に疼くような感覚が走ります。ワクワクが止ま…

伊達雅彦「傷だらけの店長」

本は本屋さんにとってはとても薄利な商品です。だから多売しないと継続が難しいんです。売れないと人件費が削減されます。限られた人員で数多くの仕事をこなさなければいけません。でも人が少ないから限界まで働く必要があります。利益を出そうと思うと、ど…

思い出

思わず「ヤッホー!」と言いたくなる景色。いつまでも眺めていたい蒼空。もう9月、新学期。着々と進む季節に置いていかれそうです。 読書空間 ひつじ日和