2021-01-01から1年間の記事一覧

珍客

最近、営業時間外に毎晩やってくる珍客。 だんだん愛着がわいてきたのか、ついに家族みんなが話しかけるようになりました。 「いえもりさん」「やもりん」「やもさん」 それぞれが好き勝手な名を呼びます。 たまに来ないと今日はいったいどうしたんだろうと…

近藤滋「波紋と螺旋とフィボナッチ」

鳥はなぜあんなに簡単に空を飛べるのでしょうか。 カブトムシや蝶々、蝉は蛹のときどのような変化を起こしているのでしょうか。 ハチや蝶々はベランダにある植物も見つけてしまいます。 どのようなセンサーを持っているのでしょうか。 自然界にはさまざまな…

朝、書棚に白洲正子さんの「木」という文庫本を並べながら、ふと浮かんだお客さまの顔があります。 以前、ご自身の名に「木の字が含まれていて…」と幸田文さんの「木」を購入された方のお顔です。 奇跡的に並べた日にそのお客さまがいらして、この本をみつけ…

宋 欣穎「いつもひとりだった、京都での日々」

かつて琵琶湖から京都まで船が行き来していたと、初めて知った時にはとてもびっくりしたものです。 滋賀県と京都府の間は険しい山があったと記憶していたので。 その琵琶湖疎水の近くに住むことになった、台湾からの留学生 宋さん。 満開の桜は華やいでいた…

伊与原 新「リケジョ!」

世の中には理系の女性が増加しているようです。 平成5年に比べて平成25年は2.1倍の6万6千人という統計もあります。 それから8年も経過しているのでさらに増えているかもしれません。 理系、文系の得意不得意に性差は無いのではと想像します。 DNAの二重らせ…

黒木登志夫「新型コロナの科学」

2020年に起きた新型コロナパンデミックについて、科学的な視点で詳細に述べています。 黒木氏は山中伸弥氏のホームページでも情報発信していました。(現在は閲覧できません) スペイン風邪やペストなどの過去の疾病との違いは、科学技術を活用できることでし…

一歩一歩

「ポール・スミザーの気持ちがスーッとラクになる生きるヒント」 いつ開いても、気付きと恵みのある大好きな本です。 生命力と知恵にあふれる植物たちの姿から得た「生きるヒント」を、ガーデンデザイナーのポール・スミザーさんが語りかけるように教えて下…

堀部篤史「街を変える小さな店」

京都の恵文社一乗寺店の店長だった堀部さん。 現在は誠光社という本屋さんを営んでいます。 その志の高さにただひれ伏すばかりです。 「本屋は街の光です。誠光社の試みが広く認知され、同じスタイルの本屋が全国に百店舗できれば、薄暗くなりつつある街も少…

河合隼雄「より道 わき道 散歩道」

河合隼雄さんの本は、より道して迷子になったような気分になります。 読んだ直後には、理解したつもりでいます。 数日後のその本を手にとって思います。 「何が書いてあったんだっけ?」と。 とても良いことが書いてあった気がするのですが。 解説で松家仁之…

おひとついかが

艶々ときれいなすだちをいただきました。 かぼすや青ゆずとの区別があやふやだったので調べてみますと、「3つのうちでいちばん小さく、酸味が少なくてしっかり香る」と知りました。 今日は朝から雲ひとつなく晴れて暑いので、絞ってジュースにしたら気分爽…

きことわ

学生の頃、旅先で出会ったきこちゃん。接点は少なかったけれど「きこ」という響きが彼女にぴったりで、その名は強烈に覚えています。あの紀子さまが紀子さまとして知られる前から、既にきこちゃんだったなんて。もし自分がニ文字で〇子という名だったらどん…

オードリー・タン「自由への手紙」

35歳で台湾のデジタル担当大臣に就任したオードリー・タンさん。 とても自由で、柔軟で、優しさを感じます。 日本の政治も30代が活躍できると良いですね。 臨機応変、スピードは要ですが、若いからこその特権でもあります。 オードリー・タンさんは自らを「…

「繊細さん」の本

気質と上手くお付き合いできている方なら、肯定感の高揚本になるかもしれません。 もし、お悩み真っ最中でしたら、きっといい相棒になってくれます。 「繊細さん」と、さん付けしてくれるのがうれしいです。 否定的にとらえがちなことに思えても、美点とは表…

野澤幸司「妄想国語辞典」

ちびっこたちが小さい頃、言い間違えをメモして楽しんでいました。 「足にたいほうする」 正:包帯 「アレルギーチャージ」 正:エネルギーチャージ 「ゴールデンウィークリー」 正:ゴールデンウイーク 「おみくじのちき」 正:吉 などなど。 この本もにた…

澤円「「疑う」からはじめる。」

このような本を読む時に、前提が違っていると全く逆方向に行ってしまうなと思うことがあります。 特に「幸せ」や「豊か」という言葉に対する認識です。 ある人は金銭的なものを、またある人は内面的なもの、そして全く別なものを想像する人もいるかもしれま…

BLUE

サンリオに「キキララ」というご長寿キャラクターがあります。 小さい頃、珍しく自ら欲しがった記憶があります。 ティッシュとハンカチセットを買ってもらい幼稚園へ。 もったいなくてなかなか絵と香り付きティッシュが使えませんでした。 多くの友達はピン…

いちじく

ここ数日、残暑が厳しいですね。 お休みは朝の早い時間か夕方だけ活動して、暑い時間帯はごろごろ、ぼんやり過ごしました。 果物が大好きなのですが、真夏の間は限られた種類になってしまうので、秋からがいちばん楽しみな季節です。 スーパーでは新物のりん…

武田砂鉄「偉い人ほどすぐ逃げる」

偉い人ほどすぐ逃げる。 なんとなくそう思っている人は多いのではないでしょうか。 この本を読むと、逃げてるなー、と思わず笑ってしまいます。 そして偉い人がすぐ逃げることだけを書いているわけではありません。 発言に影響力がある人達の、その発言に対…

2021年8月の予定

2021年8月の予定です。(タップorクリックで拡大します。)暑い夏がはじまりました。読書空間 ひつじ日和

児玉清「寝ても覚めても本の虫」

パネルクイズアタック25が終了するそうです。 子どもの頃、日曜日の午後になんとなく見ていたクイズ番組。 司会の方はあまり出しゃばらず、淡々とこなしていた印象です。 児玉清さんと認識したのはいつのことでしょうか。 そして児玉さんが大変な読書家と知…

時計や予定からなるべく離れていたいです。 もちろん、いろいろな現実に引き戻され、阻まれ続けていますけれど。 時間の感覚について考えはじめると尽きないものがあります。 生命体ごとに違う感覚がありそうです。 こどもたちが拾ってきて、放置されたどん…

加藤秀樹「ツルツル世界とザラザラ世界 世界二制度のすすめ」

資本主義を追求したドライな世界がツルツル、愛を持って接する世界がザラザラ、と理解しました。 いま世界は経済を回すことでキリキリ舞しているように思います。 そしてあまりにも複雑化し、誰にもその構造が分からなくなっています。 シンプルにしたくても…

雨の散歩

このところ大気が不安定な日が多かったので、おもしろい形の雲や、普段はない雲の流れをよく見かけました。 予報でこのあと強めに降ることは承知していましたが、まだ小雨ですし、少しだけなら雨の散歩も新鮮かもしれないと、近所をひと回りしました。 雨の…

赤い実、再び

「また実ったよ〜」 いただいたのはパッションフルーツ。 去年の今頃もお店の準備をしながらこうして飾り、深い赤をしみじみとながめました。 名の由来は情熱だろうと思っていたのですが、キリストの受難を意味するパッションからと知り、果実をみつめる目が…

西村佳哲「自分の仕事をつくる」

ある日本人「今度休みをもらえるのは・・」 あるイタリア人「休みをもらうって、誰から?」 働くとは?仕事とは? 主体的に働く、ということはどういうことでしょうか。 何人かのインタビューをきっかけに考えます。 インタビューは古い(1990年代)ので、3章…

ツバキ文具店2

小学生、中学生の頃、どんな文具を使っていたのか、わりと明確な記憶があります。 近所の文具店へ行くのは、ひとりでお買い物をするいい練習でした。 母からもらった小銭を握りしめ、ドキドキしながらお店の方にあいさつ。 小1の時の真っ赤な筆箱は特に大切…

小川糸「ツバキ文具店」

小学生、中学生の頃、自分でどんな文具を使っていたのか明確な記憶がありません。 近所に文具店が無かったからなのか、数少ないものを長く使っていたのだと思います。 唯一鮮明に覚えているのが、缶の筆箱です。 まっ赤な地に「ATLANTA GEORGIA」と書かれて…

秋の気配

雨の多いお休みでした。 しばし雨雲レーダーとにらめっこ。 タイミングをみつけてやっとお散歩。 パンパスグラスのたっぷりとした白い穂がゆらゆら揺れていい感じです。 お弁当を作って外で食べるだけでも気分転換になりました。 女郎花(おみなえし)は秋の七…

西川美和「その日東京駅五時二十五分発」

「その日」とは1945年8月15日。 日本国民が終戦・敗戦を知った日。 76年前の今日のできごとです。 原子爆弾による混乱に、新たな知らせが重なります。 ひきこまれて読んでしまいました。 そしてあとがきを読んでびっくり。 「吉井。壊れるときは、始まるとき…

左巻健男「暮しのなかのニセ科学」

お風呂でこどもたちがガチャガチャのカプセルにお湯を入れて遊んでいます。 カプセルにはいくつか小さな穴が空いています。 ある向きだとカプセルのお湯は穴から出てきませんが、少し傾けると出てきます。 こどもたちは面白がり、なぜ?という疑問を持ちます…