2022-01-01から1年間の記事一覧

橘 玲「上級国民/下級国民」

行き過ぎた資本主義の結果でしょうか。 金銭的に豊かな人とそうでない人の差が激しくなっています。 分断の結果、上級/下級という分け方をしています。 そして自由であることが分断の谷を深めます。 さまざまな根拠から概ねその通りかもしれない、と思いまし…

マイクル・クライトン「ジュラシック・パーク」

初めて映画「ジュラシック・パーク」を観た時には、その怖さに身震いしたものです。 子どもたちが「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 」をどうしても観たい、と言い出し、1作目から映画を見直しました。 そして原作にも手を出すことに。 やはり原作の…

ハインリッヒ・シュリーマン「シュリーマン旅行記 清国・日本」

高校生の時、夏休みの課題図書でシュリーマンの「古代への情熱」を選びました。 シュリーマンの語学能力に驚きました。 いくつもの国の言葉をすぐに操れるようになってしまいます。 英語だけでも四苦八苦しているのに、どういう頭の構造なんだろう、と。 そ…

2022年11月の予定

2022年11月の予定です。 営業日:水・木・金曜日 10時頃~16時頃 おやすみ:土・日・月・火曜日 書籍目的だけのご来店も大歓迎です。 (タップorクリックで拡大します。) 読書空間 ひつじ日和

待ち合わせ

ある日、友人に会いに行きました。 互いのこどもが学校に行っている短い時間。 中間地点で待ち合わせです。 おとなだけで落ち着いた気持ちで会うのはかなり久しぶりです。 この日をいったい何年待ったか。 会いたくても会えない日があることを、 いつも一緒…

モオツァルト

(「大人の時間だもう寝なさい」と子供の頃に言われた日曜洋画劇場。父が観ていたのは映画「アマデウス」 その晩に高笑いするモーツァルトと黒いマントの夢をみてしまい、しばらくは音楽室の肖像画が怖かった) モーツァルトではなくモオツァルト。な〜んか洒…

村上春樹「一人称単数」

「僕がその年老いた猿に出会ったのは、群馬県M*温泉の小さな旅館だった」 「僕」が行き当たりばったりの一人旅の途中で、やっと泊めてもらえることになったのは、その寂寥感溢れる温泉宿でした。 大学生の時、男4人で宿の予約もせずに遠方のあるイベントに…

灰谷健次郎「優しさとしての教育」

小学生の時、先生から理不尽に怒られたことがあります。 こちらの言い分は何も聞かずに一方的に怒ります。 そうなるともう黙って諦めるしかありません。 先生も人間なので仕方がないかもしれませんが・・。 「教える」「導く」「しつける」 灰谷さんはこれら…

アルテミス

月食やアルテミス計画によるロケット打ち上げなど、このところ空を見上げて宇宙に思いを馳せる機会が増えたように思います。 アポロ計画以来の月探査。ギリシャ神話にちなんで名付けられたアルテミスは、アポロと双子で月の女神なのだそうです。 気付けば11…

大下一真「鎌倉山中小庵日記」

パソコンやソフトの性能向上により、多品種少量生産に対応できるようになった分野はたくさんあるのではないでしょうか。 娘が高校の文化祭で着ていたTシャツの完成度の高さに驚かされました。 おそらくお寺に関する分野も相当変化がありそうです。 120ページ…

秘密の森の、その向こう (Petite Maman )

久しぶりに映画館で泣いてきました。 平日休みのお楽しみ。 エンドロールの後にもう少しの間、 照明を落としたままにして欲しかったくらいです。 子供っていろいろわかっている存在ですね。 まるで〈Petite Maman 〉だな、と我が子にも感じることがあります…

マエストロ

指揮者は誰とか交響曲の何番とか、全く覚える気がありません。 あの時のあれ、その時のそれ。 音楽を楽しむ時にそれ以上に何が必要なんでしょう。 とはいえ、思い出せないとSpotifyで曲を探すことができず。 そういうのが得意な夫さんに助けてもらうこともし…

ブレイディみかこ「THIS IS JAPAN」

英国で保育士をしているブレイディみかこさんが久しぶりに来日しました。 労働争議やデモを見に行き、社会をたいらにするために草の根的に活動している人々と交わり、貧困の現場や子育ての現場を確かめます。 英国と日本の違いがどんどん出てきます。 それは…

森永康平「スタグフレーションの時代」

実体経済は様々な要因が絡まり、正確に分析できるものではなさそうです。 何かの政策の実施がその目的に確実に辿り着くとも限りません。 専門家が10人いれば全員言っていることが異なることがそれを証明しています。 スタグフレーションとは「スタグネーショ…

いたずら

寒いなと感じる日が増えてきました。 実りの季節から少しずつ寒くなっていく時期がやっぱりいちばん好きです。 この季節の幸福感をたっぷり味わって過ごしたいですね。 紅葉の知らせが聞こえてくると、決まって映画「オータムインニューヨーク」のあるシーン…

「1日10分のぜいたく」

高校が遠くにあったので雪が積もる季節には電車で通っていました。 乗り換えが必要で、朝は待ちませんが、帰りは最低でも15分くらい待ち時間があります。 ちょっとした空き時間と若い胃袋にうってつけの駅そば。 安い、早い、うまい。 1日10分のぜいたくです…

毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである

手紙はおろか何も来ませんねぇ。 たまの通知は連絡網的なものばかりです。 世の中の人は何をそんなに通信することがあるのか、時々不思議になります。 勇気を出して友人にメッセージして返信があるとほっとします。 なんだか物言いが〈辛酸なめ子さん風〉に…

ヨシタケシンスケ「欲が出ました」

ヨシタケシンスケさんのイラストとエッセイ。 着眼点が魅力的です。 最後に「今までで一番明日が来てほしくなかった日ってどんな日だった?」と質問がありました。 思い浮かんだのは「たくさんの人の前で何か話さなくてはいけない時」です。 嫌な事ははやく…

宝箱

(こ、この中にはお宝が・・・) 一度ゆっくり読んでみたいと思っていた京都・大原の古民家で暮らすベニシアさんのエッセイ。 左のページに日本語、右のページに英語。 平易な言葉を用いて下さっているのでわかりやすく、調子に乗ってベニシアさん気分でこっそ…

宮本輝「水のかたち」

人間が生存可能な温度で、個体にも液体にもなり、空気中に含まれる水。 地球上の全ての生き物に必要でありながら、人間はその中では生き続けることができません。 「水のかたち」というタイトルですが、水には形がありません。 何か入れ物があればその形状に…

ダライ・ラマ法王14世/池上彰「これからの日本、経済より大切なこと」

誰もが幸せを感じながら生きたいはずです。 少なくとも不幸を喜ぶ人はいないのではないかと。 「幸せ」という言葉は曖昧です。 幸せになるために「豊かさ」を求めているような気もします。 「豊かさ」も曖昧です。 「豊かさ」で最初にイメージするのは金銭的…

ゆるす

最近よく目にしたキーワード「ゆるす」 許す?赦す…かな。 この著者の「愛するとは怖れを手ばなすこと」を読んだのは十数年前。 その時、大きな恵みを受け取りました。 その続きに偶然出会いました。 ふさわしいタイミングが来たのでしょうか。 自分自身をゆ…

角田光代「さがしもの」

最近は電車やバスに乗るとスマートフォンを見ている人が多いです。 でも中には読書をしている人がいて、何を読んでいるのか覗き見してみたくなります。(見ませんが・・) もうだいぶ前のこと。 飲食店で食事が提供される前に本を読んでいたら、店員さんに何を…

森博嗣「道なき未知」

庭に鉄道を敷いてしまう森さん。 旋盤やフライス盤を操り、ジャイロでバランスを取るモノレールまで自作してしまいます。 ほぼ人と接することは無く、仕事の予定も2年くらい先まで決めてしまいます。 執筆活動は主に冬。 プログラムされているようで、実はと…

プーシキン「大尉の娘」

舞台は1700年代のロシア。 エカテリーナ二世の時代です。 オスマン帝国との戦争で疲弊した農民は不満を抱えます。 そんな中プガチョーフという人が農奴を解放しようと反乱を起こします。 急激に勢力を拡大しかなりの領土を手に入れます。 乱れている時代に起…

2022年10月の予定

2022年10月の予定です。営業時間:10時頃~16時頃おやすみ:土曜日・日曜日・祝日(10日) 21日金曜日はおやすみです。また10月31日より営業時間を変更します。営業日:水・木・金曜日 10時頃~16時頃おやすみ:土・日・月・火曜日書籍目的だけのご来店も大歓…

微睡

夢で思いがけない人に会いました。 あまりにもリアルな感覚。 覚醒したら途端に全て忘れてしまう。 どうか夢がこのまま続きますように。 必死にまぶたを閉じたのに、意識が戻るのが哀しかった。 ある明け方の出来事が「あとは切手を一枚、貼るだけ」の雰囲気…

ヨシタケシンスケ「思わず考えちゃう」

先日思わず考えちゃうことがありました。 ある公衆トイレにこんな張り紙が。 いったい誰がどんな目的で魚をさばくのでしょうか。 バーベキューの人。 家の台所を汚したくない人。 キャンプカーで日本全国を旅している人。 釣った魚があまりにも美味しそうで…

北村薫、宮部みゆき編「名短編、ここにあり」

最近、冷凍室が霜でいっぱいになる冷蔵庫はあまり見かけなくなりました。 冷やす仕組みが違うからなんですね。 霜取りはとても面倒なのですが、氷が溶ける様子には見入ってしまいます。 特に夏の暑い日には成果がすぐに分かります。 扇風機を回して暖かい風…

森沢明夫「大事なことほど小声でささやく」

読書空間 ひつじ日和はどこにあるのかとても分かりにくいみたいです。 表通りには小さな看板しかないので、歩いている人でも気が付かないこともあります。 この本にでてくる「スナックひばり」の看板も表札みたいに小さなものです。 「お客さんに気づいても…