2023-01-01から1年間の記事一覧

徒然草

「京都で読む徒然草」を浜松で読みました。古典の授業で出会った兼好法師は、正直お説教くさいな〜と思っていました。 もし徒然草が、経験や歳を重ねた分だけ面白いと感じられるようにできているとしたら。今の自分がよくわかってしまう、おそろしくも愉快な…

三浦丈典「こっそりごっそりまちをかえよう。」

世界中の人がアメリカ人と同じような浪費生活を行うとすれば、地球が5.6個必要です。10年前の本なので、今はもしかしたら7個分くらい必要になっているかもしれません。 そんな状況を街をテーマに思考実験をしながら学ぶことができます。 例えば「歩いて行け…

ないもの、あります

謎の会社、クラフト・エヴィング商會。この会社がありそうでないものを作ってしまいます。 例えば、地獄耳。例えば、思う壺。 欲しいものもあれば、それほどと思う物もいくつか。 一度使ってみたいのは「おかんむり」。人々の反応を観察してみたいです。 こ…

浅生鴨「どこでもない場所」

クリスマスの日に海外で道に迷ったり、小学生から残念な人だと言われたり、初めて歯医者に行ったり、飛行機や新幹線で背もたれを倒せない浅生鴨さん。経歴豊かで、充実そうな人生を送っていらっしゃいます。でもその裏では様々な葛藤がありました。若い頃か…

大石直紀「杉原千畝」

杉原千畝のやったことが概要的に理解できる本でした。外務省の許可なくあの枚数のビザを発行することはとてつもない勇気が必要です。きっと葛藤があったことでしょう。そして時代が混乱していることも後押ししているように思います。 杉原千畝と同様に称賛さ…

重陽の節句

(着せ綿) 9月9日、重陽の節句といえば菊の花。まだ暑いので旧暦でないとしっくりこないかなと思いきや、ふんわり着せ綿の淡い色に秋の気分が高まりました。 もしかしたらと、森下典子さんの「好日絵巻」を開いてみますと、やはり秋のページに菊の香や着せ綿…

佐藤泰志「海炭市叙景」

世の中の景気が良くなると、古いものは捨てられ、新しいものが採用されます。それは街並みも一緒です。古きものは解体され、打ち捨てられます。より大きいもの、より力のあるものに取って代わられてしまいます。小さく弱いものは生存できません。現在の地方…

光芒

南アルプス市の辺りでサーっと光の梯子が降りてきました。「12ヶ月のお天気図鑑」によりますと、どうやら「光芒 こうぼう」に当てはまりそう。太陽を隠した雲の隙間を通って光のすじが広がりました。 空を眺める楽しみは地味ですが結構いいことがあります。…

三木那由他「言葉の展望台」

何かを頼んでくるときに、「先生、先生」とごまをするようにお願いしてくる人が苦手でした。先生と持ち上げておけば何でも聞いてくれそう、と思われていたのかもしれません。ちっとも先生ではないのに。 三木那由他さんも「先生」という言葉にもやもやしてい…

頼むから静かにしてくれ2

「頼むから静かにしてくれ」と叫びたいかわりに、書棚のこのタイトルを凝視したのはこの前の春休み。さて、この夏休みはというとリズムよく過ぎ去った感じで、叫びたくはなりませんでした。めでたし。 レイモンド・カーヴァーさんの短編集「頼むから静かにし…

ジル・ボルト・テイラー「奇跡の脳」

人間の体は不思議なことばかりですが、その中でも脳は突出して神秘的です。何かがインプットされると瞬時に働いてアウトプットします。特に感情のようなものはどのような原理から来ているのでしょうか。 まだ未知な部分が多い脳ですが、脳科学者であればわか…

ラブカ

ラブカ鮫です。食べると美味しいみたいです。駿河湾にも生息しサクラエビも好物のようです。歯は三叉フォークのようで、それが大量にあり、噛まれたら大変です。現在生きている鮫ではラブカだけの特別な歯なんだとか。 チェロバッハの無伴奏チェロ組曲は魅力…

LYKKE

リュッケと読むそうです。デンマーク語で「幸せ」という意味ですって。ヒュッゲとはまた違う言葉を知りました。 みなさまはどんな時に幸せを感じますか。私は一日が終わりお布団に入るだけの状態でのんびりしている時や、いい天気で気持ちよく洗濯物が乾いた…

似ていることば

何気なく話している日本語。区別なく遣ってしまっている言葉が結構あります。例えば、舟と船 交ぜると混ぜる 使用と利用。今変換して思ったのが、使うと遣う。 実はちゃんと違いがあります。似ているものには訳がある、ですね。(NHK ミミクリーズより) 似て…

2023年8月の予定

2023年8月の予定です。 営業日 水、木、金曜日 10時頃~16時頃 おやすみ 土、日、月、火曜日 8月16日(水)はおやすみです。 ・静かな空間づくりにご協力ください。 ・本のみを目的としたご来店も歓迎します。 (お席をご利用の場合はお飲み物をご注文いただけ…

未来に本当に必要なものは何か

今後の日本に必要な社会的インフラストラクチャーは何でしょうか。その指針の一つとして人々の幸福の最大公約数が高いことが挙げられると思います。人口が減っていく社会を認め、多くの人々ができるだけ負担なく、穏やかに暮らせること。 現在建設中のリニア…

〇〇しない

目に飛び込んできた〇〇しないシリーズ。なにか訴えていますかね〜。近頃〇〇しない上級者も多いようですしね。どうか調和を祈ります。 〇〇しない設定で意識しているのは、 判断しない執着しない抵抗しない の3つです。 最初に挙げた「判断しない」がいちば…

庄野雄治 編「コーヒーと短編」

先日読んだ庄野雄治さんのエッセイが心に沁みたので、短編も書いているのか、と思って読み始めた本です。 ところがこれが勘違いで、庄野雄治さんが選んだ短編集でした。選択基準は「ずっと昔から読まれていて、百年後にもよまれているであろう作品たち」だそ…

成熟

シンプルにミニマムにといえば、私の中ではドミニック・ローホーさん。相性がよかったのか、これまでも実践するほどに楽になり、良い影響をたくさんいただいてきました。 「限りなく少なく豊かに生きる」「屋根ひとつお茶一杯」のあたりは特に好きでした。 …

白石仁章「情報に賭けた外交官 杉原千畝」

現在の日本では移民がかなり制限されています。特に難民となるとほとんど拒否しているといった状況です。 確かに言葉も通じない人達が近くに住んでいたら怖いと思うはずです。でも同じ人間です。交流すればきっと良い関係を築くことが出来るはずです。 第二…

遭遇

高原である生きものに遭遇しました。温度計は24℃。 涼やかに瞑想中の猿。 またね。 読書空間 ひつじ日和

玉村豊男「晴耕雨読ときどきワイン」

長野県でヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリーを営む玉村豊男さん。東京から長野県に移住しさらに現在ヴィラデストがある東部町(現東御市)に引越すまでの日記のような愉快なエッセイです。 食のこと、旅のこと、軽井沢での生活、自然のこと。 中…

花火

友だちと花火大会に出掛ける娘。ひとりで浴衣をきちんと着て。こんな時はしみじみ成長を感じます。かなり混み合うだろうにさすが若者。夏をおもいきり楽しんでね。 一方、我々は夜の路地裏から。思いがけない花火に見とれました。いつも遠くの花火派だね、と…

ブルシット・ジョブ

ブルシット・ジョブのブル(bull)は、フランス語のboleに由来する言葉です。意味は「詐欺、欺瞞」。シット(shit)も「くだらない、意味のない、厄介な」という意味があります。 著者のデヴィッド・グレーバーは「本人でさえその存在を正当化し難いほど、無意味…

歓喜

今朝エバーフレッシュにお花が咲きました。花言葉は「歓喜」「胸のときめき」三年目にして初めてのお花!なんかいいことがありそうだな〜。 ↑ 昨日はこんな風でした。まさか黄色のふわふわのお花が咲くとは♪ 読書空間 ひつじ日和

浅間山

我が家の土偶ちゃんにお友達が増えました。浅間縄文ミュージアムスタッフさんの手作りだそうです。すっとぼけた顔をして座っているのがかわいいでしょ。浅間山の火山活動や美しい自然、山麓に栄えた縄文文化を楽しく学べる施設です。 太古の昔に山体崩壊する…

宮本常一「忘れられた日本人」

昭和初期に日本中を旅し、各地の老人にお話しを伺いました。歴史に名を残すことのない80歳前後の地方の普通の人々です。幕末からそれまでどのように生活をしてきたのか。現在の日本で生活している人からは、同じ国とは思えない事柄がたくさんあります。読む…

うさぎのさとうくん

毎日暑いですね。夏バテしていませんか。これだけ暑いとスイカが美味しいです。思いきって丸ごと買ったので、冷蔵庫にで〜んと残りの半分。まだ存分に楽しめる!という安心感に浸っていましたら、長女が幼い頃の夏に読んだ「うさぎのさとうくん」のことを思…

原田マハ「暗幕のゲルニカ」

美術とものがたりを複合させた原田マハさん。いくつかの能力が必要です。絵画について、それにまつわる歴史について。そして想像力と文章力が強力な接着材となり魅力的な作品を生み出します。 今回はパブロ・ピカソが平和を願って描いた「ゲルニカ」を巡る物…

焚書

物語や映画の中で何度か目撃した光景。火の中に本が投げ込まれる。それが意味するものは、人によっては重いものになるでしょう。 投げ捨てられた本。手にしていたのは〇〇〇〇特別に好きという訳ではないが、あの頃は必要だった。暗いものを読むから暗くなる…