読んだ本のメモ(書棚担当)
人間の「こころ」はどこにあるのでしょうか。脳の働きの一部だと思いますが、胸部とつながっている経験もしていますし、「こころ」と心臓周辺との関連の深さを表す言葉はたくさんあります。 AIがどんどん進化していきますが、AIが「こころ」を持つことは可能…
編集者でも作家でもあった半藤さん。義祖父は夏目漱石。 ご専門の昭和史について調べていると、必然的に夏目漱石が生きた時代に辿りつくそうです。漱石の本を読み、いろいろと調べていたら、漱石に関するちょっとしたエピソードが本になるくらいたくさん集ま…
孤独に生きた人は過去にもたくさんいます。そして魅力的な人ばかりです。鴨長明、ヘンリー・デビッド・ソロー、良寛さん。現在、ポツンと一軒家に住む人や、山中でスモールハウスに住む人々もきっとそうに違いありません。 孤独な時間は、人間の心を少しだけ…
社会人になりたての頃、新聞くらい読め、ニュースくらい見ろ、と盛んに言われました。当時はそういうものかと新聞にはできるだけ目を通すようにしていました。 ある時、ニュースに接しない生活をしたらどうなるのだろう、と思い、新聞もテレビも見ない時期が…
古今東西の数学者の人生を、藤原正彦さんが掘り起こします。 藤原正彦さんは数学史の本を読んでも、「業績紹介に重点がおかれていて、人間象は浮かばなかった」とおっしゃいます。また伝記も「履歴書のようなものであったり、腑に落ちない憶測が多かったり」…
1890年代ロンドン。人気絶頂のオスカー・ワイルド。独特のスケッチが瞬く間に世間に知れ渡り、一気に階段を駆け上がるオーブリー・ピアズリー。(今見ても不思議な絵です)オーブリーのために行動する姉、メイベル。オスカー・ワイルドの友人アルフレッド・ダ…
定期的に読みたくなる夏目漱石。「漱石先生ぞな、もし」で読みたい気持ちが加速してしまいました。 特にこの二作品(「二百十日」「野分」)を。 夏目漱石の権力や地位に対する批判的な思想を垣間見ることのできる作品です。 「二百十日」の圭さんは言いました…
長くて、時には難しく、時には愉快に進む本でした。白鯨の話はほんの少し。あとは捕鯨に関する豆知識がたくさん詰まった本でした。歴史、宗教、地理、科学、航海、捕鯨・解体技術等々。小説というよりは、当時(1800年代中盤)の捕鯨に関するエッセイみたいな…
若い頃、このままで良いのか、という漠然とした不安感を持った時に本を読んでいたことがあります。読んだからと言ってすぐに何かが変わったわけではなりませんが。 それでも長い時間軸で考えると、ああそうか、と思うことが多くなったように思います。 スポ…
人類がここまで文明を発達させてきた大きな理由の一つが「学び」でしょう。学び、他人に伝え、改良が加えられます。それを学んだ人がまた工夫をし、螺旋階段を上るようにゆっくりと変化していきます。 人間には学ぶことに対する喜びが備わっています。方って…
ジョン万次郎が漂流したときに、偶然通りかかったのがアメリカの捕鯨船でした。当時鎖国をしていた日本には戻れないため、アメリカに向かう選択をします。到着した街がニュー・ベッドフォード。この物語もニュー・ベッドフォードから始まります。 1800年代、…
先日娘が質問をしてきました。「趣味は何?」と。 即答できずに少し考えてしまいました。読書かと聞かれましたが、本を読むことそのものが趣味ではありません。 数日後、おそらくこれが答えに近いであろうことに至りました。 ここ何年も人間とは何かを知り、…
田舎の小学校に都会からの転校生が来ると、同じ日本人とは思えないような感覚に陥りました。きっとこの土地では誰も知らないことを知っているのでは、みたいな意識でしょうか。少し距離を取って接していた人が多かった気がします。その時は何も考えていませ…
ニューヨークにゆかりのあるお二人が対談をしました。音楽家 坂本龍一。分子生物学者 福岡伸一。 ロゴスと自然(ピュシス)を中心に据え、生命と音楽について語ります。 「ロゴスは人間の考え方、言葉、論理といったもの」です。 歳を重ねるについて、しだいに…
日本全国には様々な本屋さんがあります。大小にかかわらず、どの棚も独特なはずです。そして小さければ小さいほど偏りが大きく面白いと感じるようになるのではないでしょうか。 可能であればここに出てくる本屋の棚をゆっくりと眺めてみたい。知らない本ばか…
まずこの本では「コトバ」につて定義します。 「コトバ」は「言葉」とは異なり「その人の態度や存在そのものから、言葉の意味を超えた何かが伝わってくるようなもの」。 これは哲学者の井筒俊彦さんが名付けました。 そして「いのち」。 「肉体的な生命を指…
個人の小さな力で、世の中を少しずつ変えていくことは可能なのでしょうか。防衛費が増額されてしまったり、選挙に行っても何も変わらなかったり。そう思ってしまうのも無理はありません。でもその小さな行動の積み重ねが大きなうねりとなり、世の中を動かす…
まだ蒸気機関が無く、風にまかせて舟を動かしていた時代には、漂流は日常茶飯事だったことでしょう。台風の存在も知らなかったでしょうし、ましてや予報なんて。 江戸時代末期に遭難、漂流してしまい、運よくアメリカに辿り着いたジョン万次郎。アメリカでの…
3年前、新型コロナウイルスの発生報告にファックスを使用しているという報道がありました。今更ファックス、という反応が結構あったかと思いますが、ファックスがまだまだ利用されているという業種は多いのではないでしょうか。 特に人が体を動かすことがメ…
ある人の思考はその人がたどってきた人生によるものだと思います。その結果似たような発想をし、同じような言葉遣いをしているはずです。 枠から外れたことばたちは新鮮で、時には心の奥底をぐちゃぐちゃとかき回します。平易なことばであればあるほど混沌と…
見えないけれどいつもそばにいる微生物。人間は微生物無しでは生きて行けません。皮膚にも消化器官にもたくさん住んでいて、微生物からの贈り物を日々受け取っています。発酵食品は長きにわたり微生物と人類が仲良くやってきた証拠です。 この4年弱の消毒生…
2014年9月27日土曜日。秋晴れ。絶好の登山日和です。3000mありながら比較的に容易に登ることのできる御嶽山。あまり経験が無い人達もたくさん頂上を目指しました。 火山性地震は少し気になる程度。かといってまだ規制をかけるほどではありません。 そんな中…
小学生の時です。当時は学校で集団予防接種をやっていました。少し恐怖を感じながら順番待ちをし、先に終えた笑顔友達を羨まし気にながめていました。。中には泣いてしまう子も。 はんこ注射(BCG)の時です。なぜか受けなくて良い事になりました。免除された…
植物には不思議がいっぱいです。同じ種類の花が同時に咲いたり。葉っぱを水に浸しておくと根が出たり。茎を途中で切ってもまた芽が出てきたり。 何年か前、胡瓜の苗を植えたその夜、強風が吹いて茎が折れてしまいました。皮一枚程度でつながっている状態です…
世界中の人がアメリカ人と同じような浪費生活を行うとすれば、地球が5.6個必要です。10年前の本なので、今はもしかしたら7個分くらい必要になっているかもしれません。 そんな状況を街をテーマに思考実験をしながら学ぶことができます。 例えば「歩いて行け…
謎の会社、クラフト・エヴィング商會。この会社がありそうでないものを作ってしまいます。 例えば、地獄耳。例えば、思う壺。 欲しいものもあれば、それほどと思う物もいくつか。 一度使ってみたいのは「おかんむり」。人々の反応を観察してみたいです。 こ…
クリスマスの日に海外で道に迷ったり、小学生から残念な人だと言われたり、初めて歯医者に行ったり、飛行機や新幹線で背もたれを倒せない浅生鴨さん。経歴豊かで、充実そうな人生を送っていらっしゃいます。でもその裏では様々な葛藤がありました。若い頃か…
杉原千畝のやったことが概要的に理解できる本でした。外務省の許可なくあの枚数のビザを発行することはとてつもない勇気が必要です。きっと葛藤があったことでしょう。そして時代が混乱していることも後押ししているように思います。 杉原千畝と同様に称賛さ…
世の中の景気が良くなると、古いものは捨てられ、新しいものが採用されます。それは街並みも一緒です。古きものは解体され、打ち捨てられます。より大きいもの、より力のあるものに取って代わられてしまいます。小さく弱いものは生存できません。現在の地方…
何かを頼んでくるときに、「先生、先生」とごまをするようにお願いしてくる人が苦手でした。先生と持ち上げておけば何でも聞いてくれそう、と思われていたのかもしれません。ちっとも先生ではないのに。 三木那由他さんも「先生」という言葉にもやもやしてい…